AMD Ryzen 9 3900X のメモリ周りを調整した

この記事は約5分で読めます。
スポンサーリンク

はじめに

 無事 Ryzen 7 3700X から Ryzen 9 3900X へのアップグレードが完了した。
 そこでまず、パフォーマンスを活かす為に足回りになるメモリの動作に関する調整を行った。
 Ryzen 7 3700X の時の設定でそのまま Ryzen 9 3900X でも―― という訳には行かなかったのでちょっとした備忘録。

3700X と 3900X の構造上の差異

 12 コア 24 スレッドを実現する為に 3 コア 6 スレッドの CCX を 2 つ搭載した CCD (Core Complex Die) が 2 つ搭載されている。
 Ryzen 7 3700X では 4 コア 8 スレッドとなるフルスペックの CCX を 2 つ載せた CCD が 1 つで済んでいた。

 つまり CCD が 1 つから 2 つになることで、各 CCD からメモリを参照する為にメモリコントローラーのお仕事が増えている事に着目しておく必要があった。

メモリの設定

 使用しているメモリは 3700X の時から変わらず G.Skill F4-3200C14D-16GFX を 2 セット 4 枚で合計 32GB。
 最終的な設定を載せてしまうが、サブタイミングまでの詳細な設定は次の通り。

メモリのストレステスト

 CPU やメモリ、動作タイミングのどれか 1 つでも変更したらやっておくべき時間のかかる怠い作業

 動作タイミングに関してはメモリモジュール側の特性が主になるので、既に限界にまで詰めていたままでストレステストのうちの 1 つ、DRAM Calculator for Ryzen の Memtest モード (HCI Memtest) Single 400% を完走した。

 問題はもう一つのストレステストに用いる OCCT にあった。
 OCCT でメモリや SoC のストレステストを行う設定は Large AVX2 を 1 時間としているが、こちらは実行から数分でエラーが数十にものぼった。
 ここで「3700X と 3900X の構造上の差異」に書いた CCD が 2 つになることでメモリコントローラーへの負荷が増していることを思い出して SoC の電圧を 1.05V という抑えた設定から一般的に推奨されるであろう 1.10V に盛って上げた
 すると先程までエラーを頻発していた OCCT Large AVX2 設定もエラー 1 つ吐かずに 1 時間のテストを完走してくれた。
 やはり SoC 側の調整も必要なのだなという事で。

 これで筆者マシンはメモリ周りも安定したという事にした
 やはりメモリのテストは HCI Memtest (Single 400%) + OCCT (Large AVX2 1 時間) の組み合わせがベストだと思う。

 余談だが Karhu RAM Test という有償のメモリテストツールが存在する。
 今回の調整にはいるにあたり、これを 1,200 円ちょっとで購入してみたものの、時間指定や Coverage 指定をして自動停止させることが出来ない様なので最終テストへの採用は見送って軽い一次テストにのみ使用した。
 テスト速度が速く、それでいてエラー検知もしっかりしているので興味のある方は購入してみるのも良いかも知れない。

ベンチマークをしておく

 DRAM Calculator for Ryzen は今日 1/31 に新しいバージョン 1.7.0 がリリースされた。良いタイミングなのでベンチマークを取り直しておくことに。

 Ryzen 7 3700X の時は 108.48 秒だったスコアがメモリの設定そのままでも Ryzen 9 3900X になると 103.92 秒になった。
 CCD が 1 つから 2 つになるだけでスコアが 5 秒縮まるという面白い結果を見ることが出来た。それだけメモリ帯域が上がるという事になる。

 SiSoftware Sandra のメモリ帯域ベンチマークを実行すると次の様に伸びがみられる。

 赤いグラフが Ryzen 9 3900X、水色が Ryzen 7 3700X で実行した時の帯域になる。メモリが同一設定であってもこれだけ伸びる。

それでもエラーが出たので追試 (2020/02/01)

 買い物に出る前、なんとなくという理由で Karhu RAM Test を実行させたまま放置していってみた。
 1 時間ちょいして帰宅してみると、実行開始から僅か 11 分、Coverage 352% という所でエラーが出て止まっていた……
 メモリに関してはエラーが 1 つでも出る状態を許容出来ないのでメモリの動作電圧を 1.39V から 1.40V に盛って上げた。
 これで追試した結果は次の様にノーエラーとなった。

 にしても HCI Memtest の Single 400% と OCCT Large AVX2 をクリアしたのにこれでエラーが出るとか恐ろしいもので。
 で、Karhu RAM Test を 2 時間で Coverage 3800% という所だが、これはオフィシャルの FAQ によると 98% ちょいのエラーを検知出来る位のテストになるそうなので、これでまぁ大丈夫かなと思う。他のテストもやっているからって事で。

Q: How much coverage is enough?
A: Error detection rates by test coverage*:
Coverage ≤ 100 %: 64,57 %
Coverage ≤ 200 %: 75,79 %
Coverage ≤ 400 %: 82,68 %
Coverage ≤ 800 %: 91,34 %
Coverage ≤ 1600 %: 96,06 %
Coverage ≤ 3200 %: 98,03 %
Coverage ≤ 6400 %: 99,41 %

引用元 : Karhu RAM Test Official FAQ

 結果として SoC もそうだし vDIMM も DRAM Calculator for Ryzen ではじき出される設定におちついた。最初からそうしておけば良かったのでは…… と思うばかり。

おわりに

 これで常用するためのメモリ OC 設定と安定性の確認が終わったので、何の気兼ねなく使っていくことが出来る状態となった。
 Ryzen 7 3700X から 3900X にアップグレードするメリットと言うのは対価に見合うだけの性能差があるかと聞かれて即答する自信は余りない所だが、こうして少しでもアドバンテージを確認出来ると面白い物があったなと思えてくる。

 Ryzen 9 3900X 自体のレビューはもう少し使用してから書いていく予定としているので、暫くはどんなもんか様子を見て行こうと思う。

スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました