はじめに
POCO F7 購入当初より、Wi-Fi 接続中のいわゆる「パケ詰まり」に悩まされ、ネットで見かけた対応策をあれこれと試して見るも解決せずな日々が続いていた。
そもそも何が原因なんだろうと自分なりに観察してみた結果、ある程度絞れてきたのでちょっと考察。
本機に於けるパケ詰まりとは
Wi-Fi 接続時のパケ詰まりって一言でもどういう現象なのか―― となるけど、筆者環境では例えば YouTube アプリを開いてもサムネが一切表示されずに固まるだとか、X アプリを開いても TL に表示されるべき画像が表示されない、若しくは非常に遅いとかそう言った類の現象になる。
この状態は Wi-Fi の OFF/ON のつなぎ直しで正常に回復するが、再現不能なタイミングで再発する。
つまり
- ダウンロードされるべきデータが振ってこない = パケットが詰まってる
という表現になると思う。
パケ詰まり発生中に分かったこと
何もかもデータが振ってこないという訳でもなく、特定のデータで詰まることが多いことから、Wi-Fi 接続のステータスを観察してみた。
これには Wi-Fi ウィジェットというアプリをインストールしてあったんで、そのウィジェットに表示される情報を見てみるということになる。
正常動作している物とパケ詰まり発生中の状態を確認したものがこちら。


比較すると、パケ詰まり発生中には IP Public に示される IPv6 GUA (Global Unicast Address) が消失してしまっているのである。これがないと IPv6 アドレスを用いたインターネットアクセスが出来ない。
インターネットアクセスには OS により仕様は異なることもあるだろうけど、基本的に IPv6 アドレスによる通信が優先され、出来ないようなら IPv4 アドレスによるアクセスにフォールバックするもの。
しかし、パケ詰まり発生中、IPv6 アドレスが消失してしまっているにもかかわらず、内部的には IPv6 アドレスによるインターネットアクセスが発生。IPv4 アドレスへのフォールバックも発生しないために、データが振ってこないまま、とどのつまりパケットが詰まった状態になっていると思われる。
解決の糸口は RA?
IPv6 GUA が消失していることはみてわかるが、それでは何故 IPv6 ULA (Unique Local Address) は消失していないんだろうと考える。
筆者宅のネットワークはちょっと変わっており、IPv6 GUA を制御しているのは NEC のルーター IX2106 で、IPv6 ULA を制御しているのは Raspberry 3B にいれた radvd となっている。
これは RA (Router Advertisement) のパケットをキャプチャし、送出された機器の IPv6 LLA から MAC アドレスを識別して特定した。
そこで IX2106 と Raspberry 3B 各々の RA がどういう動作をしているのか比較した結果、IX2106 では M-Flag 0, O-Flag 0 のステートレス設定、Raspberry 3B では M-Flag 1, O-Flag 1 でステートフル設定になっていた。
それなら IX2106 側も O-Flag 立ててあげて、DHCPv6 を使うようにするとどうなるだろうかと。で、設定変更を加えてみることとなった。
もっとも、Android は DHCPv6 非対応なので IPv6 アドレスの設定には RA 頼みだから、効果があるかはちょっと分からない状態。
パケ詰まりが起こる環境と起こらない環境の差
筆者考察の内容があっていると仮定するなら、パケ詰まりの起きる環境というのは使用しているルーターの RA の設定次第という事が考えられる。
これなら使用している環境次第でパケ詰まりが全く起きない人と起きる人に分かれるのも納得がいくというもの。
もっと深く妄想するなら、一般家庭用だと RA の動作で M-Flag 0, O-Flag 1 のステートレス設定が多く採用される感じかなと思うけど、クライアントが RDNSS に対応していれば M-Flag 0, O-Flag 0 に A-Flag 1 としたステートレスな IPv6 アドレスの自律設定もまたありと言えばありかなと思うんで、ルーターによってはそう言う実装の差もあるのかもしれないとかなんとか。
おわりに
現状、IX2106 側で RA の O-Flag を立ててからは 24 時間程度経過しているが、パケ詰まりが 1 度も発生していない状態。
結果を判断するにはもう 3~4 日程度は様子見したい感じなので、これで再発しないことを祈るばかり。
ということで、この記事は筆者の妄想の範疇を出なかったということでクローズ…… かな。
でも絶対このあたりあやしいと思うのは変わらずで。



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