はじめに
この度は SOUNDPEATS 様より、最新フラッグシップモデルの完全ワイヤレスイヤホン「SOUNDPEATS H3」をご提供いただいた。本記事ではその実力を詳しくレビューしていく。
本機は、12mm ダイナミックドライバーと 2 基のバランスドアーマチュアドライバーを組み合わせたハイブリッド構成で、ハイレゾオーディオワイヤレス認証を有する。そして最大 -55dB という強力なアクティブノイズキャンセリング (ANC) 機能までをも搭載した、まさに全部入りの意欲作である。
音質にこだわるオーディオファンから、静かな環境で集中したい方まで、幅広いニーズに応える本製品。その真価に迫る。
スペック
まずは SOUNDPEATS H3 の主なスペックを見ていこう。
| 製品名 | SOUNDPEATS H3 |
|---|---|
| タイプ | 完全ワイヤレスイヤホン |
| 形式 | カナル型 |
| ドライバー方式 | ・12mm ダイナミックドライバー ×1 ・バランスドアーマチュアドライバー ×2 |
| ハイレゾ認証 | 認証済み (Hi-Res Audio Wireless) |
| Snapdragon Sound | 対応 |
| 再生周波数帯域 | 20Hz~40kHz |
| 対応コーデック | SBC, AAC, LDAC, aptX, aptX Adaptive, aptX Lossless |
| Bluetooth チップ | Qualcomm QCC3091 |
| Bluetooth バージョン | 5.4 |
| イヤホン単体最大持続時間 | 7 時間 (通常モード) |
| ケース使用最大持続時間 | 37 時間 (通常モード) |
| 重量 (イヤホン単体) | 6g |
| 重量 (ケース + イヤホン) | 53g |
| 充電コネクタ | USB Type-C |
| 急速充電 | 対応 (10 分の充電で最大 2 時間使用可) |
| ノイズキャンセリング | AI 適応型ハイブリッド ANC (最大 -55dB) |
| 通話用ノイズキャンセリング | cVc 8.0 (マイク片側 3 基搭載) |
| マルチポイント接続 | 対応 |
| ゲームモード | 対応 (60ms の低遅延) |
| 防水性能 | IPX5 |
| 付属品 | ・USB Type-C 充電ケーブル ・取扱説明書 ・アプリカード ・イヤーチップ (XS/S/M/L/XL) ・ピーツくんステッカー |
パッケージ及び外観
パッケージと付属品
パッケージは高級感のあるデザインであり、開封前から期待が高まる。

中にはイヤホン本体と充電ケースのほか、サイズの異なる 5 種類のイヤーピース (XS/S/M/L/XL)、充電用の USB Type-C ケーブル、そしてお馴染みのピーツくんステッカーが同梱されている。

イヤーピースが豊富なため、誰の耳にもぴったりフィットするものが見つかるだろう。尚、M サイズは標準で装着済みとなっている。
充電ケース
充電ケースは、レザー調の質感とメタル風プレートが組み合わさり、非常に上品な仕上がりだ。
手に馴染む丸みを帯びた形状で、ポケットにもすんなり収まる。正面のインジケーターでバッテリー残量が一目でわかるのも便利である。




イヤホン本体
イヤホン本体は、内部の構造が透けて見える透明な PC 素材の筐体が特徴的だ。

精巧な内部パーツが「魅せる」デザインとなっており、ガジェット好きの心をくすぐる。

ノズル部分にはアルミ合金が採用され、音の純度を高めると同時に、見た目のアクセントにもなっている。片耳約 6g と軽量で、装着感も非常に良好である。

使用感
装着感

付属の豊富なイヤーピースから自分に合うものを選べるため、フィット感は抜群だ。
そのフィット感のお陰で PNC (Passive Noise Canceling) が効き、音楽再生していないときには耳栓のような感覚が得られる。
テスト中、5 時間ほどつけっぱなしでも耳が痛くなることはなく、軽量設計の恩恵を実感できた。IPX5 の防水性能も備えているため、軽い運動や突然の雨でも安心して使える。
ペアリングと専用アプリ
ペアリングは、ケースの蓋を開けるだけで簡単に行える。
マルチポイント接続にも対応しているので、PC とスマートフォンなど、2 台のデバイスをシームレスに切り替えて使用できるのは非常に便利だ。(但しマルチポイント接続時、LDAC は使用不可となる)
専用アプリ「PeatsAudio」を使えば、ノイズキャンセリングモードの切り替えやイコライザーのカスタマイズが可能である。プリセットも豊富だが、自分好みの音質に細かく調整できるので、ぜひ活用したい機能だ。




PeatsAudio のダウンロード
Android 用
iPhone 用

音質について
いつも通り、筆者愛用の Galaxy S10 に PowerAMP! というアプリを入れて DreamTheater のアルバム Greatest Hit & 21 Other Pretty Cool Songs を一通り聴いてみた。
圧縮方式はロスレス、SOUNDPEATS H3 側は LDAC を使用。PeatsAudio のイコライザー設定はデフォルトの SOUNDPEATS クラシック。
最初の試聴で「なんか音がもちもちしてるな」と違和感を覚えたが、スマートフォン側で LDAC を ON にし忘れ、コーデックが aptX になっていたのが原因だった。LDAC に切り替えたらふわっと奥行きのある音に切り替わった。


コーデックの違いによる差も容易に聞き取れるレベルの音質は確実にあると分かった最初の一コマだった。
気を取りなおして再度試聴をすすめた。
最初に印象的と思ったのは重低音域。バスドラムがクリアでタイト、それでいて歯切れが良く、6 弦ベースの重低音と被っても両方しっかり聞こえてくる解像度の高さ。非常に気持ちが良い。
中音域はギターのリフに厚みが出ており、素直に「格好いい音だな」という言葉が出てきた。ボーカルの声も前に出すぎること無く、良い位置取りだ。
高音域は甲高いボーカルの声も刺さること無く透明感のある響きが得られた。特にこの高音域が綺麗だと全体に透明感も増すので大事なところと思っているが、納得のクオリティである。
全体像としてはとにかく音がクリアなので広がりのあるサウンドがドライブされる。
各楽器の音もよく分離しているので、干渉すること無く聞き分けることも容易だろう。
一言で言うなれば「SOUNDPEATS H3 の音は格好いい」という所に落ち着く。非常に良い。
筆者個人としては、今まで SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ の音が最高峰だと思っていた部分があるのだが、この SOUNDPEATS H3 は更に上を行くクオリティであると強く言える。さすがフラッグシップモデルと言ったところだろうか。
強力なノイズキャンセリング性能
SOUNDPEATS のイヤホンでは Air5 Pro に並ぶ -55dB というスペックを持っている。
上でも書いたが、耳へのフィット感がすごいので耳栓のような効果も相乗しているせいか、体感 -55dB よりもあと少しだけ静音性が高いように思えた。
そこで、パチンコ屋に行って ANC ON にしただけの H3 を装着して実力を見てきた。(遊んできた)
一般的に 90dB あるといわれているパチンコ屋の騒音でさえ、もの凄く軽減され、ちょっとうるさいな程度だった。
それでいて自分の台の音はしっかり聞こえてくるので、没入感は最高に良い。
5 時間ほど滞在していたが騒音のせいで耳が痛くなる事も無く、非常に快適であった。
これは手放せない。
おわりに
SOUNDPEATS H3 は、音質、ノイズキャンセリング、デザイン、機能性のすべてにおいて、フラッグシップの名に恥じない高い完成度を誇る完全ワイヤレスイヤホンであった。
特に、ハイブリッドドライバーによる解像度の高いサウンドは、多くのオーディオファンを満足させることだろう。
ワイヤレスで手軽に高音質を楽しみたい方、そして強力なノイズキャンセリングで自分だけの静かな空間を手に入れたい方に、自信を持っておすすめできる一台である。
この価格でこの性能が手に入るというのは、驚異的なコストパフォーマンスと言えるのではないだろうか。



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