A10-7870K を OC したその後

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 先日の記事では A10-7870K の OC で 200MHz ずつ Clock を上げていく過程、4.6GHz から 4.8GHz とするときに大きな Vcore の壁があった。1.4000V で安定していた 4.6GHz に対して 4.8GHz は 1.4750V でも安定しなかったという物。
 それならばと 4.6GHz で使うような感じにしたけれど、壁手前の常用もなんか怖いなと個人的に思った次第で更に 1 ステップ Clock を落とした 4.4GHz を常用する事にした。


 暫定的に 4.4GHz 1.4000V としていたセッティングだが、どうせなら IntelBurntest で高負荷をかけたときに PC がフリーズするまで Vcore を落として行こうと思い立った。OC するにしても電圧が低いと消費電力も下がるから無駄も抑えられるし。
 Vcore 以外のセッティングとしては Load Line Calibration (LLC) を Medium、APM OFF としている。LLC は OC しないなら AUTO で良いが、電圧弄るのであれば高負荷になっても電圧が落ちにくい設定である事が望ましい。うちの GIGABYTE F2A88X-UP4 の場合、それが Medium だった。APM は ON のままだと高負荷時に動作クロックが落ちたりするので OFF に。
 Vcore に関しては上げるにしてもさげるにしても「0.01250V ずつ」変えていくようにしているので 1.4000V から 1.38750V におとした。
 安定性の確認では今回、手っ取り早く Prime95 よりも負荷が高くなる IntelBurntest を用いた。実行内容は「Stress Level」を High にして放置するのみ。120~130 秒程度かかる演算の 10 回ループを完走し、全ての演算結果が同一であれば OK と見なす事と決めた。
IntelBurntest
 IntelBurntest は CPU のみならずメモリ周りも不安定だとフリーズしたり、演算結果に相違が出てしまうから正常終了しない事もある。負荷も高い事から、冷却面に於いても注意が必要。最近はずっと「Scythe 阿修羅」を使っているので A10-7870K で使う分には OC していたとしても冷却面に不安は全く無い。
 以後、IntelBurntest を同様に Stress Level High で実行。無事終了したらリブートして BIOS から Vcore を 0.01250V 下げる。この作業を延々と繰り返す。IntelBurntest が正常終了しなくなるまでやる。
 正常終了出来なくなったことを確認したら、そこから電圧を安定していた物へ戻す要領で 0.01250V 上げる。安定スレスレが嫌なら更に 0.00625V 上げてあげると精神的にも良いかなと思う。

 この作業がかなり時間を要して、1.3875V, 1.3750V, 1.3625V, ……,1.3125V と来てもなかなかフリーズしないで頑張っていた。
 そして遂に 1.3000V 設定で IntelBurntest を実行した 4 ループ目の演算でフリーズ。めらめらとアニメーションをする炎のアイコンが止まっていたから分かりやすかった。
 リセットボタンを押して BIOS に入り、Vcore を 1.3125V に戻して IntelBurntest をもう一度実行。更に 3DMark を回してみたり。フリーズ無しで終わったからこれでもう大丈夫なハズ。もし何かの拍子にフリーズするようであれば、Vcore を 0.00625V 増やしてあげればいいだけ。

 そんなこんなで我が家の A10-7870K OC 常用セッティングは……
 4.4GHz Vcore 1.3125V, LLC:Medium, APM:OFF
 と、このように確定した。

IntelBurntest 実行中の CPU-Z

IntelBurntest 実行中の CPU-Z


 この時、消費電力はピークで 133W。CPU の最大温度は HWiNFO64 読み CPU 0 Package が 75.1 度、SuperI/O 経由の CPU が 39 度となった。
 一段階上のセッティングだと 4.6GHz Vcore 1.40625V であることから 4.4GHz と 4.6GHz の間にも大きな Vcore の差が存在していた事になる。

 それにしても 4.4GHz が 1.3125V という低めの電圧で安定してしまうことには驚くばかりである。A10-7850K の時は同じ 4.4GHz では 1.4375V が安定セッティングだっただけに、その差は歴然である。
 この結果を踏まえると、Godavari は「ただの Kaveri リフレッシュではないな」と言わざるを得ない。OC 耐性も良く電圧もグッと低く押さえ込むことが出来るのでワットパフォーマンスが更に良くなっている。

 あくまでもうちの固体ではこの様な結果が出たというだけで、A10-7870K 全てが同様になるともわからない事には注意が必要だ。また、OC による故障のリスクもあると思うからあくまで自己責任の上 OC を行いたい。
 とは言え、無理な電圧を掛けず冷却も充分な OC で CPU/APU が壊れたとかいう話しを聞いたことが無いのだが……

2015/07/11 9:51 追記
 記事を書いてから三日起動しっぱなしで離席中に BSoD が発生した。エラーコードは 0x124 でイベントビューアをみるとログにコアプロセッサとの記述。
 よって更に Vcore を 0.00625V 盛った 1.318750V とした。これでまた様子を見よう。

2015/07/11 17:03 追記
 自分で決めた安定性確認に疑問を持ってしまったので、Prime95 の高負荷設定も試してみたところおよそ 13 分ほどで Worker #3 がダウンしてしまった。IntelBurntest は一番始めの探りには有効だけど、長時間のストレステストには向かなそうだ。
 1.318750V で Worker が落ちたから更に盛った 1.32500V としたところ、Prime95 の高負荷セッティングで 1 時間安定した。長時間の高負荷はまんまそれだけの時間が掛かるので、毎度毎度やっていられないって問題もある。
 故に IntelBurntest で探りを入れ、そこから Prime95 の長時間高負荷テストとするのが確実だろうかと思った。

 Prime95 を 1 時間くらいまわすと「Self-test 2880K passed!」と出た。ここまで来ればもう安心だろう。(と思いたい)
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著者プロフィール
ぶっち

本格的に PC へ触れ始めてたのは 1990 年位から。
興味は PC 全般。OS は Windows と Linux などを嗜む。
プログラマやネットワークエンジニアを経てフリーに活動している 2 児の父な 40 代半ばのおじさんです。

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