Ryzen 環境で使われる電圧 SoC, VDDG, VDDP に関するおさらい

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はじめに

 Ryzen 環境でメモリのオーバークロックを行う場合、必ずついて回る SoC, VDDG, VDDP の電圧設定。
 筆者も普段は「慣例的にこう」というフィーリングで設定していた為、各項目の意味までも理解しようとしていなかった。
 そんなわけで改めてググって調べてきたのでおさらいとしたい。

SoC

 SoC 電圧 (以下 vSoC) はメモリコントローラーの電圧設定。
 設定範囲は 1.000V から 1.100V を上限とする。1.100V 以上の設定は余り意味が無いそうな。
 設定しても安全な上限は 1.200V となる模様。

VDDG

 厳密には VDDG CCD と VDDG IOD に分かれてはいるが、共に FCLK (Infinity-Fabric Clock) の安定性に関わる電圧。
 設定上限は vSoC – 0.040V となり、尚かつ 1.050V を上限とすることが推奨される。デフォルト値は 0.950V。
 VDDG は vSoC ラインより生成される。この時のドロップアウト電圧を最小 0.040V と仮定した物が設定上限値の理由に。
 VDDG IOD と VDDG CCD と分かれている部分に関しては詳細な情報が得られなかったので、特に理由が無い場合は同じ値を入れておけば問題は無い。

 Ryzen 5000G Series は非チップレット構成で IOD と CCD が同一ダイ上に存在するので、VDDG の設定項目は存在しない。

VDDP

 SoC にある DDR4 PHY (信号を受けとってデジタルデータに変換する所) の電圧。動作マージンとメモリトレーニング時に関わる。要は BIOS POST 時に転ける時に盛ってあげると改善する場合がある様だ。
 設定上限は vSoC – 0.040V で尚かつ 1.050V を超えてはいけない。デフォルト値は 0.900V。
 これもまた VDDG と同じ理由により vSoC – 0.040V を超えないようにする。

参考リンク

https://github.com/integralfx/MemTestHelper/blob/oc-guide/DDR4%20OC%20Guide.md
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おわりに

 各電圧の必要箇所と意味、上限値を把握しておけば設定する目安にもなるから覚えておいて損は無いかなと。
 筆者は vSoC 1.025V, VDDG CCD 0.950V, VDDG IOD 0.965V, VDDP 0.900V という設定で FCLK 1866MHz が安定している。
 今後、DDR4-3866 (FCLK 1933MHz) で MCLK:FCLK=1:1 を狙うときはまたこの記事に書いた内容を元に電圧設定をしていこうかと思う。

記事更新履歴
  • 2021/01/28
    21:41
    初稿
  • 2021/09/06
    12:54
    Ryzen 5000G Series に対する補足を VDDG の項に追記
 

著者プロフィール
ぶっち

本格的に PC へ触れ始めてたのは 1990 年位から。
興味は PC 全般。OS は Windows と Linux などを嗜む。
プログラマやネットワークエンジニアを経てフリーに活動している 2 児の父な 40 代半ばのおじさんです。

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