画像やリンクが無効になっている可能性もあるのでご了承下さい。
はじめに
今まで AMD Ryzen 5 5600G を載せたサブマシンは G.Skill F4-3200C14D-16GFX という Samsung B-Die 選別メモリを採用した DDR4-3200 を DDR4-3800 まで OC して使用してきた。
これはメモリのパフォーマンスが高いほど APU としての性能も上昇する為だ。
しかし容量自体は 8GBx2 の 16GB。ここ最近、仮想マシンを常時稼働させているような使い方なので、心許ない感じになってきていた。
今まで同様、APU だからとパフォーマンスを求めて 3800MHz まで OC しようとすると安定させるにも時間が掛かるし、そこそこのメモリになれば 3 万円コースになる。そこまで金銭的余裕はない。
それならここは安定性重視「JEDEC 準拠」の Native DDR4-3200 メモリを行ってみようかな―― で、表題の Crucial CT2K16G4DFRA32A を購入する運びとなった。
安定性重視としつつ 1.2V 動作も出来るから省エネ。なにより安い。
メモリモジュール外観
パッケージはブリスターで簡易的な物。
こう、メモリをかみ合わせてクロスさせるお約束的な絵面も撮っておいた。
メモリのチップを見ると D8BPJ との刻印があり、これはデータシートを見ると Micron R-Die のようだ。
尚、R-Die に関しては OC 情報が殆ど無い。
その日のうちにメモリ交換
ここ最近は主要 PC パーツを買っていなかったので、メモリ交換ともなればただそれだけで楽しい。
早速交換してみた。
最後にヒートシンク無しメモリを使ったのはいつだったろうか。vDIMM 1.20V ともなればヒートシンクは不要だろう。
そしてサブマシンの PC スペックは以下のようになった。
使用前の確認
お約束の Memtest86 も Version 10.2 にもなっていた。
これをやらなきゃ話しは始まらないってレベルの代物。
自分なりの使用手順は、この Memtest86 で 1PASS だけさせる。これで大体は初期不良を否定出来る。
更にストレステストも重ねて初期不良を完全に否定させてから使い始めるようにしている。
ストレステストに関しては「もしメモリが原因でシステムファイルやらが壊れたら嫌」なので、別途 USB Boot の Windows To Go 環境を用意した。
これは 120GB 以上容量のある USB 接続外付けドライブがあれば Hasleo WinToUSB というフリーソフトを使うと簡単に作成できる。
ストレステストには Karhu RAM Test を用いた。
OC 後のストレステストなら 6400% 程度は最低限やっておきたいが、SPD に書かれたタイミングだから 30 分でいいかなと手短に済ませた。
取り敢えずこれでメモリモジュールの初期不良は否定出来た感じだ。
ベンチマークをやってみる
今までよりも動作速度が遅くなったので、どの程度の影響があるのかと調べる目的でベンチマークを回してみた。
先ずは MaxxMem をやってみた。
DDR4-3800 CL16 を使っていた時は 40GB/s 前後のスコアだったので、DDR4-3200 CL22 に交換したことで約 6GB/s の低下となった。
次に 3DMark Fire Strike を。
これも同様に DDR4-3800 を使っていた時のスコアと比較すると
なんて感じになった。メモリ (加えて Infinity-Fabric ) の速度は APU にとって重要な物だと良く分かる。
動作クロックの低いメモリに変えてまで容量が欲しかったのだからこれは致し方の無いところ。
ちょっと OC も試してみる
なんかやっぱちょっと悔しいので OC にチャレンジ。せめて 3600MHz で動けば良いなって最初は思っていたが……
実際にやってみるとこの Micron R-Die という物は至極回らないチップのようだ。
DDR4-3600 CL20 vDIMM 1.40V とか設定してもストレステストをクリア出来ない結果となった。
DDR4-3800 に至ってはどの様に設定しても BIOS で Save&Exit した後、DDR4-3200 の定格で起動してくるからお話にならない様だ。
更に電圧盛ったらどうなるかなと 1.42V と設定すると POST 画面すら拝めないという状況に悪化もしたため、大きな OC は諦めた。
Micron R-Die OC の答え
購入から数日程ひたすら OC セッティングを考えていたが、辿り着いた答えは……
DDR4-3466MHz ファーストタイミング、PowerDown、tRDRDSCL/tWRWRSCL 手動、他 AUTO
となった。
セッティングはこんな感じでストレステスト完了後のスクショをペタリ。
このあと TestMem5 Extreme1 もやっておいたけどエラー無しだった。
悪あがきしてファーストタイミングをちょっと落としてみたり、帯域が欲しいから tRDRDSCL/tWRWRSCL 4 を死守すべく手動で固定しておいたりしてみたり。
特筆すべきは vDIMM で、3466MHz でも 1.20V のままで取り敢えず安定してくれたのはおいしい。
vSoC も AUTO だとたまに 1.10V とか高すぎる所までいくこともあるから、様子を見て手動で 1.00~1.05V あたりまで押さえ込んでみるのも良いだろう。
このセッティングで 3DMark Fire Strike を回してみた結果はさっきの結果も交えて見るとこうなる。
多少の悪あがきも効果があったようだ。
おわりに
今回はメモリの増量を主体としたメモリ交換だったけど、OC も回ればおいしいと思ったのは浅はかだったようで。そうおいしい話しはなかった。
目的自体は果たせたし、メモリが増えた効果で仮想メモリ使用量も減り、余計な I/O wait が消えた分だけタスクの切り替えやらなにやら速くなったような感じ。
ブラウザ、ファイラー、MUA、VMware Player、その他常駐タスク 16 個くらいあってメモリ空き容量は 18GB 台という感じになっている。
動作速度だけがパフォーマンスではないという部分が垣間見えた良い買い物だった。
Micron E-Die について追記
実家用マシンのメモリとして Crucial CT2K16G4DFRA32A
をまたチョイスしてみた。
チップを見るとこれが Micron E-Die
だったもんで、R-Die よりも OC 行けるかなと期待してみたり。
しかしまぁこれが R-Die
よりも全然回らないという結果に終わった。
具体的には 3466MHz
すら Windows 11 起動時点で BSoD。3600MHz
に関しては電圧盛っても POST 後には 3200MHz
に落とされるといった具合だ。
チップの選別がかなり良く出来ているのではないかなと感じた。当然回る奴は上位 OC モデルにいったり等々。
そんなわけで CT2K16G4DFRA32A に関しては定格 3200MHz
で常用するものと認識した方が良い。
OC するにしても 3466MHz
辺りでも回れば良しとして見れば心も落ち着くだろうかと思われる。
コメント