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AMD 広報担当さんよりカリフォルニアで実施の Hot Chips にて公開された ZEN アーキテクチャーに関するスライド資料のご提供を頂いたので、スライドをみながらサクッとどの位の性能 UP を期待して良いのか読み解いてみようかと思う。
特に筆者は FX-8350 をずっと使い続けているので、Piledriver コアアーキテクチャーとの差も妄想込みの数値からどの程度の性能向上が見込めるかも書いてみたい。
IPC の向上
IPC つまり 1 クロックあたりの命令実行数の向上を示すパートでは Excavator コアと比較して 40% の向上を実現しているとなっている。しかし、Excavator コアはデスクトップ用途だと Athlon X4 の一部にあるとしか印象も無くて今一ピンとこない。
筆者は FX-8350 を使用しているので、Piledriver コアからの向上がどの様な物かを知りたい。そこで色々と調べてみると、Bulldozer から Piledriver と改良され、さらに Steamroller ときてやっと Excavator が出てくる。この間はそれぞれ 10~15% 程の IPC 向上がされているとの資料があったので、Piledriver から Excavator までに最低 20% の IPC 向上があると読める。
つまり、現行 FX シリーズの Piledriver よりも 20% の向上がされた所から Zen では更に 40% の向上をしていると読める。
単純に足して Piledriver to Zen で 60% の IPC 向上と読んで良いのかはちょっと分からないがそう考えることにする。
ワットパフォーマンスも向上
IPC は先のパートの通りに 40% 向上したが、1 サイクルあたりに使用する電力としては Excavator と同等であると見て取れる。Excavator は Steamroller 比で 40% の省電力化とされているとの資料があった。
従って、こちらも同様に FX-8350 の Piledriver 比とするならば Zen は 40% ほど省電力化されているという事になるとも考えられる。
それで結局の所
筆者が現状愛用している FX-8350 の Piledriver コアと Zen コアアーキテクチャーを比較すると IPC は 60% 向上し、電力効率は 40% 良くなる (=省電力化する) と妄想出来る。
これは FX-8350 を OC して使用して「飽き」以外不満の無い筆者が Zen コアアーキテクチャーの CPU に交換したらどうなるだろう。相当 Happy になるに違い無い。
Zen で改善されたポイント
一番始めの Two threads per core というのはかなり大きな変化で、所謂 SMT と言われている物だそうだ。1 つのコアで 2 つのスレッドを実行出来る動作原理であり、これは Intel に昔から採用されている物だ。
今までの AMD は 1 コアあたり 1 スレッドであり、「ALU を 4 個なり 8 個」を「2 つないし 4 つのモジュール」に分け、FPU は各モジュールに 1 つ配置する形で搭載してきた。もっとも使われる ALU が 8 個なので 8 コアと言う感じだった。
Zen では ALU も FPU も同数載る物だと思うが、ともかく物理コアそれぞれに 2 つのスレッドを実行出来る様にした事となる。
Zen の中身
1 つのプロセッサーの中には演算装置以外の物も内包するが、CPU としては次のような感じになる。
先程ちょろっとでた SMT に関しても記述がある。
新たに追加される命令も多い。ようやく AVX 周りが揃ってきた感じで、特に動画のエンコードが速くなりそうだ。
Zen は今までと違うって事をまとめると
- 全く以て新しく構成のコアデザイン
- 高帯域で低遅延なキャッシュシステム
- 高スループットを実現する SMT
- エンタープライズ製品からクライアント向けまで FinFET によるエネルギー効率の優れたデザイン
となる。
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