画像やリンクが無効になっている可能性もあるのでご了承下さい。
はじめに
AsahiNet 光への転出時にキャンペーンで頂いた Aterm WG1200HS4 は、Aterm と AsahiNet 共に v6 コネクト方式な DS-Lite への公式対応となっている数少ないルーター。
しかし、筆者環境では 44~46 時間周期で DS-Lite の下り速度が 400~500Mbps 程から 100Mbps 前後まで激減してしまい、その度に WG1200HS4 を再起動させる必要があった。これは結構面倒な物で……
そこで、既存の DS-Lite 対応ルーターで transix モードを指定出来て AFTR も手動設定出来れば現状非対応の製品でも接続できるのではないか? と思い、Aterm 製品の中からスペックを調べて WG2600HP3 を選び出し、これを購入してみた。
何故 WG2600HP3 なのか
Aterm WG2600HP3 は 2018/07/05 発売の旧モデル。
このクラスの現行品は WG2600HP4 となり 2020/10/08 に発売されている。
では何故敢えて古い方のモデルを購入したかと言えば
- SoC の違い
- 枯れたファームウェアの安定度
この 2 点にある。
SoC に関しては今回、WG1200HS4 の Realtek で嫌な思いをしたので、ここは定番の Qualcomm で行きたいなと。ちなみに Wi-Fi は OFF にして使うので、SoC の差がどの程度出るのかは分からない。
加えて予算的に 1 万円以下で探すと WG2600HP3 しか無かった感じになった。
WG2600HP3 の初期設定を行う
Aterm WG2600HP3 が届いてすぐ、ノートパソコンを引っ張り出して来て初期設定を行った。
基本設定
Aterm WG2600HP3 は DS-Lite 用にするのでここが大事。
回線の自動判定は OFF にしつつ、動作モードを transix に変更した。
接続先設定
ここも DS-Lite の設定になる。
AFTR を手動設定にして FQDN 指定。AFTR の FQDN に WG1200HS4 の自動判定で得られていた AsahiNet の DS-Lite 設定をそのまま入力してあげた。
Wi-Fi 基本設定
DS-Lite 専用のルーターとして使用するので Wi-Fi は不要。よって OFF にした。
IPv4 LAN 側設定
ルーターの LAN 側 IPv4 アドレスを変更し、DHCP サーバは別に存在するので OFF にした。
IPv6 LAN 側設定
筆者環境独特の問題が後から発覚したのだが、解決策として DHCPv6 サーバを切る必要があった。その為 DHCPv6 サーバ機能は OFF にしてある。
RA オプション~ は ON にしなければネットワーク内のクライアントが DNS サーバアドレスを取得出来なくなるので要注意。特に Android 端末。
その他
あとは好みで NAPT タイマを短く設定したり、ルーター自体の端末名を変更してみたりとかやってみると良いかも。
ルーターの入れ替え
以下がルーター入れ替え後の筆者宅ネットワーク構成になる。
その為 HGW とクライアントは IPv4 で相互に通信は出来ない。
DS-Lite 接続確認
先述の通り Aterm WG2600HP3 は AsahiNet v6 コネクト方式の DS-Lite には現状非対応とされている。
「手動設定なら接続出来るのでは無いか」という賭けになっていたが無事勝利。
上記リンクより接続状況を確認したところ、Connected (DS-Lite) と表示され IPv4 アドレスもホスト名も正しく v6connect の物となっていた。ホッとした。
回線速度を以下 みんなのネット回線速度 で計測したところ、こちらも問題の無い速度が出ていた。寧ろ WG1200HS4 接続時よりもちょーと IPv6 側速度が上がっているような気がした。
その後に起きた問題
DS-Lite の接続確認が出来て速度も問題なし。あとは LAN 内クライアントの動作確認だけとなった。
Windows10 を使用したデスクトップ PC 2 台は問題も無く OK となり、CentOS 7 を使用したサーバー機と Raspberry Pi 3B の動作確認を行った。
CentOS 上で経路を確認する為に ip -6 route
と打ち込んだら WG1200HS4 のリンクローカルアドレスが Gateway に出ていた。
放っておけばそのうち消えるけど、ここは network サービスを再起動して消しておこうと実行したところ、数秒後に WG2600HP3 まで再起動してしまう現象がおきた。
なんかこの現象、以前 WG2200HP を使った時にも似たような現象があったな…… と激しく嫌な予感がした。
いつ再起動しても問題のない Raspberry Pi 3B で sudo reboot
と打ち込み、起動まで暫し待つ。
起動完了となって数秒後、嫌な予感通りに WG2600HP3 が再起動を始めた。
原因を探るべく、手っ取り早く ON/OFF していける WG2600HP3 側の設定を弄ってみることにした。
ネットワークに繋がった時に要求される DHCP 周りを見ると、既に IPv4 側は OFF にしてあるので v6 側も OFF にしてみた。
この状態で Raspberry Pi 3B 上の CentOS で sudo systemctl restart network と打ち込んだ。
待てども待てども WG2600HP3 は再起動しない。ビンゴだったようで。
原因不明のままだとしたらとんでもなく面倒な運用になるところだったと冷や汗物だ。
(なぜ DHCPv6 サーバが ON だとこうなるのかと言う本質的な所は未解決)
ちなみに DHCPv6 サーバを OFF にしても RA のみの Stateless で必要な情報は取得出来るから問題はない。
飛んでくる WG2600HP3 の RA の内容は以下の通り。
interface enp0s25
{
AdvSendAdvert on;
AdvManagedFlag off;
AdvOtherConfigFlag off;
AdvReachableTime 0;
AdvRetransTimer 0;
AdvCurHopLimit 64;
AdvDefaultLifetime 3600;
AdvHomeAgentFlag off;
AdvDefaultPreference high;
AdvSourceLLAddress on;
prefix 2405:6581:1a8x::/64
{
AdvValidLifetime 300;
AdvPreferredLifetime 300;
AdvOnLink on;
AdvAutonomous on;
AdvRouterAddr off;
}; # End of prefix definition
RDNSS 2405:6581:1a8x:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx:xxxx
{
AdvRDNSSLifetime 44;
}; # End of RDNSS definition
}; # End of interface definition
IPv6 アドレスは prefix を参照しながら Autonomous On だからクライアント側で自動設定される。
IPv6 の Default Gateway には RA を飛ばしてきたルーターのリンクローカルアドレスがセットされる。
RDNSS が定義されているので、Windows10 でも Android でも DNS 設定が行われる。
DHCPv6 サーバは割り当てる IPv6 アドレスを固定にしたいとか、決められた範囲に収めたいだとか言う Stateful な使い方を目的としない限り不要だと思う。
おわりに
ルータを入れ替えて最後に起動させてから 24 時間も経過しない時点で記事を書いているが、明日明後日と DS-Lite 側の回線状況をちまちま確認して速度が激減しないか確認していこうとおもう。
ローエンドな製品からミドルクラスの製品に変えたことで安心感はあるから、このまま上手く走りきって欲しい所だ。
Aterm WG1200HS4 で起きていた 44~46 時間周期で DS-Lite の回線速度が激遅になる現象は、WG2600HP3 では発生しなくなった。
ということは WG1200HS4 自体に原因があったということになる。
一応、今後も定期的に速度の確認を行っていきたい。
2021/07/03 0:55 追記
あれから 2 週間。1 度たりとも DS-Lite の回線速度が低下する現象は発生せず。
ド安定。
あ、あとあれ、Amazon は製品パッケージに直接伝票を貼ったり粘着力の強いテープで固定するの止めて欲しかった……
こういうの綺麗に保存したいタイプの面倒なおじさんなので……
コメント
はじめまして。
WG2600HP3の設定、大変参考になりました。
手動設定で、asahi-netのDS-Lite接続が出来るようになりました。
ありがとうございました。
はじめまして。コメントありがとうございます!
同じ AsahiNet ということですので、WG2600HP3 で DS-Lite 接続した際の安定性については何も問題が無いかと思います。
今のところこの記事を書いてからノントラブルで接続してくれています。