New A-Series APU Richland A10-6800K 試用

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 日本時間 2013/06/05 13:01 より販売解禁となった A-Series APU コードネーム Richland “A10-6800K” の基本スペックと A10-5800K との比較を交えたベンチマークスコアを紹介していこうと思う。お財布的な諸事情の問題により DDR3-2133 なメモリを確保出来ず、DDR3-1866 を用いた結果であることを予めご了承願いたい。

 APU である A10-6800K は「日本 AMD 株式会社さま」、使用するマザーボード F2A85-M Pro は「ASUS さま」のご提供を頂いております。この場にて厚く御礼申し上げます。

A10-6800K の仕様

CPU Clock 4.1GHz, TCB 4.4GHz, QuadCores
iGPU RadeonHD 8670D, Clock 844MHz, RadeonCores 384
Cache Total 4MB
Supported Memory DDR3-1333, 1600, 1866, 2133

APU 外観
ヒートスプレッダ側
ピン側

テスト環境

A10-6800K マシン
APU AMD A10-6800K
FAN Antec KUHLER H2O 920
MEM ADATA AX3U1600GC4G9-2G (DDR3-1866 に OC)
M/B ASUS F2A85-M Pro
HDD SATA 250GB (実測 R:65MB/s W:50MB/s で遅い)
Case ZALMAN Z9+
PSU R-Senda SD-660EPS (500W 80+Bronze)
OS Windows7 Pro 64bit SP1
A10-5800K 比較用マシン
APU AMD A10-5800K
FAN Scythe 忍者参
MEM CFD W3U1600HQ-4G (XMP DDR3-1866 Profile を使用)
M/B GIGABYTE GA-F2A85X-UP4 (BIOS Ver F4)
SSD Crucial C300 64GB
Case Antec ThreeHundredTwo
PSU Antec EA-550 Platinum (550W 80+Platinum)
OS Windows7 Pro 64bit SP1

 計測したデータで大きな差になりそうなポイントは太字にした。A10-6800K サイドは PSU が 80+Bronze の規定を満たしているのか分からないレベルの品質。一方 A10-5800K 側は 80+Platinum である為、Bronze の方がおおよそ 10% 前後大きい消費電力を示してしまう。また、A10-6800K 側では HDD を用いているが 5800K 側は現在使っているマシンなので SSD としている。この点は WEI に大きく影響してしまう。比較データとしては参考にならない物だなと今気付いたので、追々ここは 5800K マシンに 6800K のみ入れ替えて同様のテストを行いたい。
 また、ドライバは共に 2013/06/05 時点で最新の Catalyst 13.6β を入れて使用している。

Benckmark 比較 6800K vs 5800K

 A10-5800K の記事を書いた当初にレギュレーションとして用意した物と極力同じとなるようにベンチマークスコアを取得した。今回使用ソフト及びレギュレーションは次の通り。

 使用ソフト名 / 実行する設定 / 参考とするポイント
* 3DMark06 – Basic Edition / デフォルト設定 / DX9.0 性能
* 3DMark11 – Basic Edition / Performance Test / DX11.0 性能
* 3DMark – Basic Edition / Run ALL Test / DX9~10 相当と DX11 性能
* CINEBENCH R11.5 64bit / CPU Test, OpenGL Test / CPU 演算性能
* PHANTASY STAR ONLINE2 / 初期設定である簡易設定 3 / ライトな 3D ゲーム
* Windows Experience Index / PC 総合性能

 また、3DMark 系のみ実測した最大消費電力の数値も合わせて記載するが、電源の違いにより 6800K の方が 10% 程高くなるので予めご了承願いたい。(全く役にたたない比較に……)

 1. 3DMark06
 体感差は得られず、結果としての数値を見れば 6800K の方が良いと分かる。
 いまいちピンとこない

3DMark Score SM2.0 Score HDR/SM3.0 Score CPU Score Watt (MAX)
A10-6800K 9,516 3,449 3,957 4,521 141W
A10-5800K 9,152 3,303 3,843 4,252 125W

 
 2. 3DMark11
 確実にスコアが伸びている。特に CPU を使う部分の伸びが良い。

3DMark Score Graphics Score Physics Score Combined Score Watt (MAX)
A10-6800K P1,628 1,484 4,324 1,352 157W
A10-5800K P1,561 1,425 4,002 1,306 130W

 
 3. 3DMark
 傾向としては 06 や 11 と同じく GPU の伸び率よりも CPU の伸び率が大きく、その結果がトータルスコアに響いている。

ICE STORM
Score Graphics Score Physics Score
A10-6800K 59,541 69,808 39,309
A10-5800K 56,945 69,248 35,112
CLOUD GATE
Score Graphics Score Physics Score
A10-6800K 6,046 8,025 3,246
A10-5800K 5,646 7,680 2,931
FIRE STRIKE
Score Graphics Score Physics Score Combined Score
A10-6800K 1,035 1,103 4,744 394
A10-5800K 983 1,054 4,286 370

 
 3DMark 3 種類トータルスコアのグラフ
3dmark_grph

 4. CINEBENCH R11.529
 演算主体のベンチマーク。思ったよりも Trinity との差が出た。

OpenGL CPU CPU (Single)
A10-6800K 39.72 3.51 1.08
A10-5800K 37.01 3.04 0.95

 
 5. Phantasy Star Online 2 Benchmark
 唯一 PSO2 のベンチに於いては 5800K 比 +736 ポイントと少し大きめの差が見て取れた。このベンチは GPU の比重が大きい物なので、素直に RadeonHD 8670D のおかげなのだろうと言った所か。

 A10-6800K の結果

 A10-5800K の結果

 6. Windows Experience Index
 両マシン共に DDR3-1866 で使っているが、6800K の方が 0.1 ポイント上になった。グラフィックススコアがゲーム用も含めて 0.1 ポイント上昇した。

プロセッサ メモリ グラフィックス ゲーム用グラフィックス プライマリハードディスク
A10-6800K 7.3 7.4 6.8 6.8 5.6
A10-5800K 7.3 7.3 6.7 6.7 7.5

 

Richland A10-6800K を触ってみた感想

 取り急ぎな感じでさわりの部分だけと言う触れ方をしたのみで記事にしてしまったが、今現在の大雑把な感想としては「5800K との差は体感出来る程では無い」という所。新たに 6800K のみではあるが DDR3-2133 のサポートが公式になされているので、2133 メモリを使った時のパフォーマンスが気になる所。取り敢えずは他の方のレビューを参考にさせて頂きつつ、お財布と相談してメモリを交換してみようかなと思う所。2133 のメモリは大体 8,000 円辺りからの値段がするようだ。この値段を払えるのであれば dGPU を追加して Dual Graphics をした方がパフォーマンス的には大分あがるのではと思ってしまうのだが……。

 その他として OverClock には触れていないので、どの程度の伸びしろがあるのかとそちらの方が楽しみであったりする。OC に関しては次の記事で扱う予定でいるので、今週末辺りにまた記事を追加したい。
 異なる OS でベンチマークを取っても結果に信頼性があるのかなと思ってしまった次第で、ベンチマークの比較の為にと Windows8 ではなく 7 でやってしまったのも痛いところ。ライセンス自体は余っているので今月中には Windows8 を入れて再度評価を行いたい。

 ともあれ CPU ソケットにポン差しで CPU と GPU を載せたことになってしまう APU。ヘビーなゲームをするわけでも無いのであれば充分な性能を発揮してくれる。自身で遊んでいる MMORPG の Tower of AION という CryEngine を用いたゲームでも設定を軽めにすれば充分に遊べているので、割りと幅広い層がターゲットに入ってくる良い物だと思う。

 次回は OverClock をしてクロックを上げつつ電圧もなるべく上げずに安定するポイントを探していきたいと思う。取り敢えず適当に 4.6GHz@1.35V (LLC で盛られて 1.44V) で Prime95 の重い設定でも軽く動いちゃっているので楽しみだ。

続きの記事はこちら

A10-6800K を OverClock して使う
 APU の 型番末尾に "K" と付く Unlock モデルでは自由に OverClock (以下 OC) が可能となる。一般的な Clock の上昇によるパフォーマンスの向上を狙う物と、動作周波数...

また Coneco.net の方にも同様の記事を書いた。
AMD A10-6800K Black Edition BOXのレビューと評価: Trinity より少し上の性能を持った APU [coneco.net 商品レビュー]

2013/06/24 0:46 追記
 あまり参考となりにくいデータばかりであった為、再度 A10-5800K と A10-6800K の比較を行った記事を書いた。
 A10-6800K vs A10-5800K 再比較
 多少はマシになったと思う…が。

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著者プロフィール
ぶっち

本格的に PC へ触れ始めてたのは 1990 年位から。
興味は PC 全般。OS は Windows と Linux などを嗜む。
プログラマやネットワークエンジニアを経てフリーに活動している 40 代も後半に入ったおじさんです。

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