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BIOS や Catalyst が安定しないうちはまだ OC などしなくとも良いかな~と過ごしていたが、今自分に出来る事を試している内にやることが無くなった。定格に近い Vcore でどの位 OC 出来るのかと言う事と、セッティング毎に 3DMark を実行しスコアをまとめてグラフ化したので記事にしておく。
諸注意
くれぐれも注意して頂きたい点としては、OC を行う場合は動作保証外の行為になるので自己責任となる。最悪破損する恐れもある。
準備
先ずは OC を行う上での方針みたいな物。Vcore を盛りまくるような OC は好まないので、BIOS 初期設定時に設定される Vcore を見る。GA-F2A88X-UP4 に A10-7850K を乗せた場合の当方の環境だと 1.4125V と表示されていた。よってこれを大きく上回らない程度の Vcore でどこまで行けるかと言う事だ。これを個人的な方針とする。
実行
覚悟を決めたら PC を起動し、BIOS に入る。取り敢えずは Vcore AUTO で示されている 1.4125V のままで CPU 部の Multiplier を増やしていく。定格では 37 倍動作で 3.7GHz となっている。ここを A10-6800K と同じ 41 倍動作するように設定した。これで 4.1GHz 動作になる。Vcore に関連する OC をより安定化する効果のある Load Line Caribration と言う機能もあるが、今回は強気に AUTO のまま弄って居ない。
安定性確認
A10-6800K を OC していた辺りからは、この安定性確認に Prime95 を用いるようにしている。次の設定で実行をすることで、Vcore が足りない等の不足があれば瞬時にしてエラーを吐いたり、BSoD が発生するので手短に成否を判定出来るのでお手軽だ。ちなみに下の画像は過去記事からの流用だ。
A10-7850K は APU なので CPU 部に負荷をかけるだけでは少し不十分。iGPU の動作にも密に関わっているので、3DMark 等 iGPU にも充分な負荷をかけて何も起こらず安定するかを確認したい。
参考までに今回の体験談を書くと、OC を行ったデータを集め終え、貯まった TS ファイルを OC したまま Handbrake 経由で x264 エンコを行っていた。Prime95 や 3DMark が問題無く実行完了した後なので気を抜いていたら PC がフリーズしていた。Handbrake Nightly 版で -P オプションを付け、OpenCL を有効化して iGPU に負荷が掛かった為に起こった事だろうと勝手に推測してみた。この為更に Vcore を少し盛ることとなった。
少し話しが逸れたが、Prime95 の上記設定で 10 分程度と 3DMark の完走で取り敢えずの安定性確認とした。4.1GHz 1.4125V LLC:Auto と言うセッティング。これで 3DMark のスコアも取得完了した。
次に iGPU の OC
iGPU である Radeon R7 の動作クロックは標準で 720MHz。A10-6800K では異なるアーキテクチャだが 844MHz だったので低めのクロックで動くのが R7 なんだと思いつつも、ここは A10-6800K と同じ 844MHz にしたらどうなるだろうと気になった。
PC を再起動し、BIOS から iGPU のクロックを手入力で 844 として Save&Exit。クロックのみの変更で何事も無く動いた。そして起動後はそのまま 3DMark を実行し、スコアを取得した。結果とその感想は後述。
もう少し CPU 部を OC
正直、iGPU の OC は無意味だと思ったので CPU 部をもう少し OC してやろうと思い立って実行をした。
セッティングは 4.4GHz Vcore 1.4250V LLC:Auto だ。iGPU に関しては定格の 720MHz に戻すこととした。安定性確認のプロセスはパスし、3DMark も完走。後は Handbrake で TS ファイルでもエンコードをとお手製のバッチファイルに突っ込んだら、少しして PC がフリーズ。Vcore を少し盛って 1.4375V とした。再度起動後にはこの設定で Handbrake によるエンコードも無事完了した。
最終的に 4.4GHz 動作設定は Vcore 1.4375V LLC:Auto に確定した。勿論ここは LLC の設定で左右のされるし、使用している M/B でも変わってくるから、注意が必要だ。
色々なセッティングで行った 3DMark の結果
文字でまとめるよりも、ここはグラフにした方が視覚的に比較しやすいと学習したのでグラフにまとめた。3DMark は一度実行すれば DirectX 9, 10 ,11 のシチュエーション別のベンチを一気に採れるから楽で良い。
3DMark の結果から見る OC 効果
OC するよりも先ず DDR3 メモリは高速である方が良い。2133 メモリが故障して使えない関係上、1600 メモリを 2133 にまで OC している。DDR3-2400 動作もやって見たかっただけに残念なポイントに。
次に iGPU の OC は殆ど意味が無い。自分のやり方がマズイか等とは分からないが、定格 720MHz であったクロックを 844MHz に上げても逆にスコアが落ちるのだ。良くなることを望んで行った行為が逆効果になっているので、もうそこは切り捨てて定格動作した方が良いと結論づけた。この点は A10-7850K の CPU と iGPU や TDP の関係性を把握し切れてない事も大きい。→ 2014/01/20 追記 — iGPU クロックを BIOS で上げても、720MHz のまま上昇していなかったと判明。対処法は、AMD のサイトより AMD OverDrive を DL してインストール。AOD で iGPU の OC を行う事で正しく反映された。
最後に、CPU のクロックは上げれば上げただけリニアにスコアが伸びていく。CPU を OC する事で、iGPU の性能を更に引き出しつつ Graphics のスコアも伸ばしてくれる効果がある。勿論 CPU 演算性能も上昇するので Physics や Combined のスコアも上がるので SCORE も上昇すると。
A10-7850K を OC した事から見えたメリットはこんな所だ。IPC が向上したと言われている Steamroller は 4.4GHz にまで上げると流石に体感出来る速度を見ることが出来た。
消費電力はどうなるか
次に Prime95 負荷をかけたときの消費電力を示す。
4.1GHz 時 117W 前後 / 3DMark 中は 105W 前後
4.4GHz 時 133W 前後 / 3DMark 中は 110W 前後
この様になった。A10-7850K で 3DMark を実行しても A10-6800K 比で 20~30W も省電力になっているから驚く。OC をしていてもこの程度に収まってくれる。定格動作で 3DMark を実行しても 100W 前後の消費電力なので、この程度であれば常用も考えたくなるレベルである。
おわりに
A10-7850K を載せた GA-F2A88X-UP4 に完全な安定性がまだ見えない状況での OC は気が引けたが、現状でもここまで回るのであれば充分かなと思った。
OC した状態で負荷をかけ、CPU-Z でクロックと Vcore を監視中、一瞬 Bus Speed が 120MHz を越えて A10-7850K の動作クロックが 5GHz を越える表示をした瞬間があった。色々な意味で何かの間違いであって欲しいと思った。クロックの変動は OC するにあたって不安定要素でしかないので、今後は M/B 側に安定性を求めなくてはならないのが現状だと思われる。少なくとも GA-F2A88X-UP4 はそういった意味でベストな選択にはならないと思う所だ。厳しいようだが…
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