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AMD の APU A8-Series 最上位に位置し、Godavari を採用する A8-7670K が発表された。今まで Kaveri の A8-Series 最上位であった A8-7650K のポジションを置き換える形になると思われる。
発売日は 2015/07/31 00:01 でメーカー希望小売価格は税抜きで 13,880 円としている。
少しばかりこの A8-7670K の特長を紹介しようと思う。
A8-7650K の特長とスペックの確認
A8-7650K は CPU で 4 コア、GPU に 6 つの Compute Core を搭載しているので、合計 10 の Compute Core になる。
CPU 部はクアッドコアであるからホームオフィスやファミリー PC にも適した性能を持っている。
更には 2015/07/29 リリースとされている Windows 10 に対しても既に対応を謳っている為、APU のパフォーマンスを充分に引き出せるだろう。
以下、AMD リリース文を引用。
A8-7670Kは、AMD CPUのエネルギー効率の良いプロセッシングパワーとAMD Radeonグラフィックスの画素処理パワーとを1つの便利なパッケージとして組み合わせた、手頃な価格のAPUです。
ユーザーは本新製品の使用により、現代的なワークロードのマルチタスク処理を容易に行ったり、Windows 10で動画ストリーミングを行ったり、「Counter Strike:Global Offensive」などのeSportsの人気オンラインゲームタイトルを楽しむことができるようになります。
「A8-7670K」は10個の演算コア(4 CPU + 6 GPU)を搭載し、コスト重視のメインストリーム向けのユーザーが今日求めているプロセッシング能力とグラフィックス能力を提供します。
次に A8-7670K のスペックを確認したい。
A8-7650K と比べると A8-7670K では動作クロックが 300MHz 増の 3.6GHz、ターボ時 100MHz 増の 3.9GHz へと向上している。GPU クロックも 37MHz 増で 757MHz となっている。
対応している機能群は A10-Series とも同じになっており、DirectX 12 や Mantle といった Graphics API も例に漏れず対応。HSA や AMD FreeSync, VSR, Dual Graphics といった AMD 独自の機能にも対応。表への記載が無いが Fluid Motion も対応しているハズだ。
パフォーマンス
この資料では Intel Core-i3 4160 をターゲットとした比較が行われている。
PC のパフォーマンスを測る為に適した 3DMark と PCMark が用いられている。3DMark は 3D Graphics を利用する際の性能指標、PCMARK で日常的なオペレーションを行った際のパフォーマンスを見て取れる。
この $120 以下という価格帯では最良の選択肢となるとされている。
ホームユースに於けるパフォーマンス
今度は Core-i3 4160 に加えて G3258 も合わせた比較になっている。クアッドコアとデュアルコアとあるが、「あくまでネイティブなコア数」の比較だろう。
PCMark 8 Work では「基本的な表計算や文書作成、ウェブブラウジング、ビデオチャットを想定した動画エンコード」のベンチマークを行う事で PC のトータル性能を測る。
PassMark は純粋に CPU の演算性能を見る為の指標となるベンチマークソフトだ。(参考 : PassMark オフィシャルのベンチマーク結果一覧)
7-Zip はファイルを可逆圧縮する際に用いられるオープンソースなソフトウェアで、主に CPU の演算性能によって圧縮/展開する速度が変わってくる。
全ての項目に於いて A8-7670K が優れた結果をだしている。
ファミリー PC としての性能評価をした場合、APU の最たる特長でもある GPU 性能が絡んでくるので、上記ベンチマークよりも他を圧倒した結果を残しているようだ。
Adobe Photoshop CC は 2D Graphics、Blender は 3D Graphics、Libre Office Calc は表計算ソフトであるが OpenCL 対応である為に GPU 性能が生きてくる。Corel Aftershot Pro 2 は RAW 現像ソフトで OpenCL 対応。Adobe Premiere Pro CC は動画編集ソフトだ。
どれもが APU の内蔵する GPU を GPGPU で有効に利用することが可能だから、これだけの差が生まれる。1 Chip に CPU+GPU を内蔵する APU の強みだ。
ゲーミング用途に於けるパフォーマンス
APU は一般的に「ハイエンド」という物を目指した物では無いから、最新鋭の超繊細グラフィクスをなんでもという訳にはいかない。「ある程度」遊ぶことの出来る内蔵 GPU の範囲を少し超えたレベルになる。
こちらは価格帯をやや揃える形で Pentium G3258 + GeforceGT730 vs A8-7670K の比較になっている。それでいて A8-7670K が全てにおいて 1080P であるにも関わらず、高評価な成績を収めている。
比較で使用されているゲームタイトルはどういう物か詳しく知らないので、細かい事は触れずに置く。
Windows 10 対応
2015/07/29 リリース予定の Windows 10 にも既にリリースされている Catalyst 15.7 にて正式に対応とされている。
高速化されるであろうポイントは動画再生や IE に変わって標準ブラウザとなる Edge、ストレージの暗号化機能である Bitlocker、ユーザーインターフェイスの表示である。
対応する物としては Windows 10 より採用される WDDM 2.0 (Windows Display Driver Model) やワイヤレスディスプレイ、高速なファイル抽出 (?)、リモートデスクトップ。
出来ることとして DirectX 12 対応、明示的に GPU を指定したレンダリング (Multi GPU)、Xbox One Streaming、GameDVR (ゲームプレイの録画) 等がある。
具体的に示した物が次の画像に。MGPU のくだりは Asymmetric Rendering、いわゆる非対称 CrossFire の事だろう。
A8-7670K OverClock
公式に OverClock に関する資料が出るのは面白いポイントだ。実際、A10-7870K を使っているけど OverClock の伸びが非常に良いから、定格のみならず自己責任の上 OverClock をして常用化させる事も面白い遊びになるだろう。
おわりに
公式の資料にすこし自分の言葉を交えつつ簡単に紹介をするのみとした。
ざっと見ると Windows 10 に正式対応済みとなっている点と、GPU を内蔵した APU だからこそ「安価でそこそこ」のシステムが組める点の評価は高い。
掲載していない資料にはマザーボードも安価な A68H を採用した物を利用すれば、APU + マザーボードの 2 点で $200 以下になりますよー的な物もあった。実際に日本で実売されている物だと MSI A68HM-P33 が税込み 6,500 円前後、A8-7670K は税込みだと 14,990 円ほど。合わせても 22,000 円程度で収まるハズなので、これにあとメモリや SSD、ケースや電源、OS としても 5 万円台で 1 台組めてしまう計算に。
Web ブラウジングやメール、表計算や画像編集程度であればもっとスペックの低い APU でも良い気がするが、A8-7670K であれば特に困ること無く、日々のオペレーションをこなすことが可能となる APU だろう。逆に、これで困るようであれば「もっと高価な」PC を用意する必要がある物と思われる。
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