AMD Build-Off イベント – Radeon R7 370 を用いた自作 PC の評価を行う。

PC
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はじめに

 この度 AMD Build-Off イベントの特別審査員枠でご指名頂いた BuCCi とか ぶっち 等と名乗り、そう呼ばれている者です。
 AMD Japan とは APU 関連の勉強会からの縁もあってこの様な席を頂く運びとなりました。普段はしがないレビュアーとして購入した物や企業様よりの依頼を以てレビューを執筆しております。
 現状、メインマシンに FX8350 + R7 370、サブマシンに A10-7870K という構成で、Athlon 64 4000+ San Diego 以来の AMDer です。

 以降、普段通り「ですます調」でなく、「だ・である調」に切り替えて、特別審査員独自の好みや何かに則った評価を行い、加点を行うことで最終的な投票先を参加者である「おにく氏」「hiiragi 氏」何れかに投票したいと思う。
 記事を書きながら何れかへ 1 ポイントずつ加点を進めていくので、現時点でどちらへ投票するかは決まっていない。満点方式でなく、最終的に点数の高い方へ投票を行う事とする。
 ちなみに、この特別審査員枠の投票に於いては Build-Off イベント上 25 ポイント分の重みがあるそうだ。

参加者ご紹介

 AMD Build-Off にて Radeon R7 370 を用いる事を前提に、自作 PC をパーツから選定し、組み上げた上級 JISAKer は次のお二方。
 Facebook 上のエントリから自己紹介文を引用させて頂いた。

hiiragiと申します。自営業でPCの修理や納入、トラブル解消などをしています。趣味でイラストや3Dモデリングなども楽しんでいます。
引用元 : https://www.facebook.com/AMDJapan/posts/517236881786638

自作er兼FPSプレイヤーのおにくです!プロゲーマーとしてDetonation BYCMで活動していました。
引用元 : https://www.facebook.com/AMDJapan/posts/507686919408301/

コンセプト評価

 先ずは両者のコンセプトを見ていこう。予算 10 万円で PC 本体を組んでいく上で大切になる方向性だ。
 コンセプトの優劣よりも、個人的にどちらが好みなのかという点になってしまうのだが。

おにく 氏 hiiragi 氏
コストパフォーマンスを追求したコアゲーマー向け PC リビングの脇においても違和感がなくて設置も楽々な PC
 限られた予算内でゲーミングマシンを構成するには CPU と GPU に比重を置き、それ以外の目に見えづらい所でコストを抑え込めば良いがなかなか難しいところ。  リビングに置くと言う事は画面出力先に TV がそのまま使えるので、本体とキーボードやマウスがあればすぐさま使う事が出来る。複数人で楽しむことが出来る良いコンセプトだと思った。
個人的にもそういったマシンは欲しいと思うからこちらに +1 ポイント。

使用パーツ評価

 ここでおにく氏hiiragi 氏お二方の組み上げた PC の構成を見ながら簡単に一品毎の紹介及び個人的独断で評価していこう。
 「コンセプト通りに出来ているかどうか」の判断は構成を見る限り両者共完璧であるから、評価対象からは外している。

おにく 氏 hiiragi 氏
GPU
SAPPHIRE NITRO R7 370 4G MSI R7 370 2GD5T OC
 Radeon と言えばまず Sapphire が思い浮かぶ。ここ最近では品質、性能、冷却性に於いて結構な人気を誇る。VRAM 4G モデルであるので、重量級のゲームに於いても充分に足りるだろう。
 外観や品質、興味のあるメーカーなので GPU パートはこちらに +1 ポイント。
 MSI はオリジナルファンである TwinFrozr の性能も高く人気が高い。OC モデルである事から、若干性能は上がっている。個人的にも MSI の R7 370 を使用している。
APU/CPU
Intel Core i5 4460 BOX AMD A8-7670K Black Edition
 Intel i5 シリーズである為、Core-i シリーズ中ミドルクラスの性能であるが、演算性能は高く GPU 性能を引き出しやすい。  AMD APU A8 シリーズ。実売 15,000 円を切る中 CPU+GPU であるのでコスパがもの凄く良い。将来的にも Asymmetric CrossFire で更にグラフィック性能が得られる可能性もある。
 APU 大好きだから APU/CPU パートはこちらに +1 ポイント
MotherBoard
ASUS B85M-K GIGABYTE GA-F2A88XN-WIFI
 CPU が OC 出来ないモデルだから必要最低限である B85 Chipset というチョイスと思われる。上手いコストの落としどころだろうか。廉価なマザーだが ASUS だから安心という面も大きい。  Mini-ITX のマザーでは鉄板と思しき物でユーザーも多いはず。APU 向けでは GIGABYTE は結構安定しており品質も良い。かく言う私も APU 機は GIGABYTE。
 使い心地が良さそうなので MotherBoard のパートはこちらに +1 ポイント
Memory
Team TED38192M1600C11DC G.Skill F3-1600C11D-8GISL
 Team 製メモリモジュールは昔から廉価なモデルの人気が高い。DDR3-1600 なので高速に動かすわけでも無いから、熱に対して神経質になる必要もないだろうけど、ヒートシンクが無いとやはり若干の不安が残る。  G.SKILL は台湾メーカーであり APU と一緒に使用している方もよく見かける。あと 100 円ほど足して DDR3-2133 モデルにしておくと将来的にも良かったかと思う所。
 気になっているメーカーなので Memory パートはこちらに +1 ポイント
CPU Cooler
CRYORIG H7 リテール
 H7 は全高 145mm と低くどのケースでも大体合うサイドフローの CPU クーラー。少し位 OC しても常用出来る程度には性能があるので、4460 で使用するなら安定することは間違い無い。
 CPU クーラーは別途購入した方が安心なのでこちらに +1 ポイント
 APU はさほど発熱に関して敏感になる事も無いが、リテールはファンの径が小さく回転数も高いので、高回転時のノイズが気になりやすいと思われる。
Storage
SANDISK SSDプラス SDSSDA-120G-J25C
東芝 DT01ACA100
OCZ ARC100-25SAT3-480G
 OS 領域として SSD、データ領域として HDD の 2 ストレージ構成はパフォーマンスとデータの保全性の点で非常に優位であると思う。
 容量的にもメリット的にもこちらが良いと思うのでこちらに +1 ポイント
 思い切った大容量 SSD 単発構成。リビングで TV に接続して動画を見ると言った用途である場合、ストリーミングであれば問題ないと思うが、実データを流したい場合に若干の不安が残る。人それぞれの使い方によるところだと思うが。
Optical Disk Drive
無し LITEON iHAS324-17 (ブラック)
 ODD の用途が無くなってきた昨今、無くても困ることは殆ど無い。
 あえて無しであったほうが増設時の選択肢に幅が広がりそうだと思うからこちらに +1 ポイント
 DVD ドライブであれば、敢えて内蔵式を取るよりも USB 3.0 接続であったほうが、今後の幅がより広がったかも知れないと思う所。将来的に Blu-ray と思っても換装するのに一手間かかりそう。
PC Case
Fractal Design Core 3500 Cooler Master Elite 120 Cube
 Fractal Design は割と新しいメーカーなのだが、結構人気のあるケースを多く輩出していると認識している。非常にスタンダードな作りをしているモデルだから組みやすさやメンテナンス性も良さそうだ。  CoolerMaster のこのケースは Mini-ITX で組む時なら必ず選択肢に入って来るであろうケースかと思われる。外観が非常に好みだし、dGPU も 343mm 長まで入るし電源も ATX 用で大丈夫だから非常に扱いやすいはず。
 好みの問題だろうけどこのケースは興味深い。よってこちらに +1 ポイント
PowerSupplyUnit
ANTEC NeoECO Classic NE550C Corsair CX600M
 Antec と言えば先ずケースを思い浮かべてしまうが、電源も良い物が実は多い。i5-4460 + R7 370 でも充分お釣りの来る容量だから、消費電力効率に於いても性能が出ると思われる。また、自身としてもサブマシンの電源は Antec だったりもする。  Corsair はそのブランドを冠した電源だと高価な物が多いが、その中でも廉価である CX600 は売れ筋だったりする。安定性や品質においても問題は無いだろう。
 ここは Corsair 好きとしてこちらへ +1 ポイントしたい。
Operating System
Microsoft Windows 10 Home (LANボード セット) Microsoft Windows 10 Home
LAN ボードとのセットだと DSP 版だと思われる。細かい所に口うるさく突っ込むならば、基本的にライセンスは LAN ボードを使用する PC に適用される物だから、今回の使用されていないマシンに対しては不適と思われる。ケース内に LAN カードをガムテでくっつけておいた方が良い。  Windows10 Home と言う事で、現状はベストな OS と思われる。
 OS は同じ物だが使用方法の問題でこちらに +1 ポイント。

使用パーツ評価結果

 異なるコンセプト同士で、用いるここのパーツを比較するという事はかなり難しく、全項目において悩ましかったが個人的な趣味嗜好を強めに入れる事で進めてみた。
 特に OS パートは厳しすぎるかなと思う所だが、こう言うイベントだからこそライセンス的な問題は明確化しておいた方が良いと思った。この点はご了承頂きたい。

 使用パーツ評価結果では、おにく氏 4 ポイント、hiiragi 氏 6 ポイントとしたい。

外観評価

おにく 氏 hiiragi 氏
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 Modded PC ケースまで来るとは予想外。AMD というブランドを容易に連想できてしまう。正直これは欲しいと思う所。特に電源ユニットのスリーブ化は外観のみならずケーブルマネージメント面に於いてももの凄い有利になるはず。
 結構これは良い。こちらに +1 ポイント。
 クールな外装であり配色も好み。黒ベースだからリビングに置いても違和感は無いと思われる。

性能評価

おにく 氏 hiiragi 氏
 ゲーミング志向である為、CPU の性能も APU より 1 クラス上であり、AMD で言えば FX Series 相当だから非常に優位になる。その為 GPU 性能を引き出しやすくトータルのパフォーマンスは絶対的に良くなる。「何を以て高性能と謳うのか」という点はやはり演算性能に依ると思われる。
 性能面を考えると誰もがこちらをチョイスすると思われる。よって +1 ポイント。
 満遍なく投資のなされた PC 構成である為、非常にバランスも良くオールマイティになる。故に性能も過不足無い。演算性能以外であっても APU + Radeon による Asymmetric CrossFire 対応タイトルが増えれば~と考えると将来的にも楽しみである。

ポイント集計

 さて、ここまで評定を進めてきたが集計してどちらが多くポイントを獲得したか見てみよう。

おにく 氏 hiiragi 氏
 6 ポイント  7 ポイント

 と言う事で、1 ポイントの僅差で hiiragi 氏へ審査員特別枠の投票を行う事とする。

おわりに

 この様な試みでイベントへ携わることは初めてなので、色々と不満点が出てくる方も多いと思うが、その点は割り切って自分なりの評定で通してしまおうと言う心意気になった。
 正直おにく氏、hiiragi 氏共にイーブンで収めたい気持ちでいっぱいなのだが、何れを選ばなければならない苦渋に満ちた記事でもあると感じた。

著者プロフィール
ぶっち

本格的に PC へ触れ始めてたのは 1990 年位から。
興味は PC 全般。OS は Windows と Linux などを嗜む。
プログラマやネットワークエンジニアを経てフリーに活動している 40 代も後半に入ったおじさんです。

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