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Ryzen では内部バス及び CCX を接続する Infinity-Fabric の動作周波数がメモリの動作速度と同期しているので、メモリの動作速度が速いほど理論上はパフォーマンスも上がる。
オフィシャルには DDR4-2666 まで対応する Ryzen だがメモリの相性によっては DDR4-2133 動作になったり、逆にマザーボード側で上手いことよろしくやってくれると OC で DDR4-3200 やそれ以上の動作も可能になる。パフォーマンスを上げたいのであれば CPU の OC もさることながらメモリの動作速度にも気を掛けたい。
そこで今回、筆者は手持ちのメモリは CFD W4U2400CM-8G の 1 種類しか持ち合わせていないが、DDR4-2133, 2400 と OC して 2666 と動作させた 3 パターンで 3DMark と CINEBENCH R15 を実行してみた。
諸注意
本記事では CPU とメモリをオーバークロックした環境で行ってはいるが、オーバークロックはやり過ぎると機器を損傷する恐れがあるので事故責任の上で行う必要がある。
もし同じ事をしただけなのに壊れたと言われても筆者は知らないのでご注意を。
検証環境
マシンスペックは次の通りで、今までのレビュー記事とはマザーボードが変わった環境になる。CARBON さんド安定で優秀。
Ryzen 5 1600 は M/B の Load Line Calibration 設定を Mode 3 としつつ 3.6GHz@1.1875V にて動作させている。
CPU | AMD Ryzen 5 1600 |
---|---|
CPU-Cooler | Corsair H100i |
M/B | MSI X370 GAMING PRO CARBON (AGESA 1.0.0.4a) |
Memory | CFD W4U2400CM-8G |
SSD | CFD CSSD-S6T128NHG6Q (TOSHIBA) |
SSD | WesternDigital WD Blue SSD (1TB) |
HDD | WesternDigital WD10EFRX (WD Red 1TB) |
VGA | Sapphire NITRO+ RX470 4GD5 |
Sound | OnBoard |
PSU | Corsair CMPSU-850AX (850W GOLD) |
Case | Corsair Obsidian 550D |
OS | Microsoft Windows10 Pro x64 |
3DMark
CPU のクロックはそのままにメモリの動作速度のみを変えて実行した 3DMark の FireStrike, FireStrike Extreme, TimeSpy の結果を掲載する。
Ice Storm や Cloud Gate などは軽量なせいか、スコアにばらつきがかなり強く出てしまうので除外した。
FireStrike と FireStrike Extreme は Physics、Time Spy は CPU Test のスコアが見るべき所で Combine はグラフィックスコアのブレに左右されるが概ね上昇していく傾向があるので参考値としては良いかも知れない。
これら 3 つのグラフから CPU 性能を示す Physics Score と CPU Test のスコアのみを抜粋し、各動作速度 2 点間の差分を取り、上昇率を算出すると次の関係性が得られる。
メモリの動作速度が与えるパフォーマンスへの影響を 3DMark でみると取り敢えず DDR4-2400 以上で動作するメモリを使いましょうと言える。それだけ DDR4-2133 と DDR4-2400 とのスコアの差が大きいと見る事が出来るからだ。
反面 DDR4-2666 となると上昇率も小幅である事から、別に無理しなくてもいいかなと読み取ることも出来る。それでも確実にパフォーマンスは上がってるからメモリも速いに越したことはない。
更なるパフォーマンスアップを狙うなら DDR4-2666 と DDR4-2933 の 2 点間も上昇率が結構良いので狙ってみるのもアリだ。
CINEBENCH R15
FX-8350 など Vishera 時代には CINEBENCH によるベンチマークはあまり適当ではないと言われていたような気がしないでもないが、Ryzen ではこの CINEBENCH がもてはやされる様になった台頭かと思う。
先ずは DDR4-2133 動作にてベンチマークを取ったときのスクリーンショット。CPU-Z Bench も入れてはいるがスコアにブレが出やすいのであくまで参考値。
スコアはマルチが 1,157cb でシングルが 146cb となる。
次に DDR4-2400 動作で以下同文。
スコアはマルチが 1,173cb でシングルが 147cb となる。
そして最後に DDR4-2666 動作させた場合で以下同文。
スコアはマルチが 1,179cb でシングルが 147cb となった。
ここでもやはり DDR4-2133 と DDR4-2400 との間が一番スコアの伸びがよく、+1.364%。DDR4-2400 と DDR4-2666 との比較では +0.508% と小幅なのも 3DMark と同じ傾向だろう。
シングルベンチのスコアは 1cb の重みがとても大きいので大幅な変化は読み取りづらいが DDR4-2133 と 2400 の間で 1 上がっている。
まとめ
Ryzen を使うなら DDR4 メモリは最低でも 2400MHz 動作の安定するメモリを使うことを強くオススメする。
こんな所だろうか。もっと速い動作で同じ検証をやってみたい物だが、如何せんアレこれ買って試すほど裕福ではないのでここまでとする。
MSI X370 GAMING PRO CARBON に AGESA 1.0.0.6 の BIOS が来たら DDR4-2933 位までは行けるかも知れないので、将来的に本記事を更新する可能性もある。既に取り外して退役させた ASRock AB350 GAMING K4 では 2933 動作も確認出来たので。
CFD W4U2400CM-8G は Crucial メモリを採用したモジュールで安価で入手性も良い割に 簡単に DDR4-2666 動作してくれたので非常にありがたい製品だった。
記事更新履歴
2017/07/07 13:40
MSI X370 GAMING PRO CARBON の BIOS が AGESA 1.0.0.6 になったので DDR4-2933 までなら安定動作させることが可能になった。
その為、検証データに DDR4-2933 動作で採取した 3DMark の結果 3 種を入れ込んだ。
更に上昇率のみをまとめたグラフを作成し、掲載した。
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