飽和塩法によるデジタル温湿度計の精度検証を行った

スポンサーリンク

はじめに

 最近は立て続けに ThermoPro のデジタル温湿度計を 2 機種購入し、両機種で湿度がほぼ一致するという精度に感動したり。

ThermoPro TP-50 を購入してちょっと経ったのでレビューを
 デジタル温湿度計が欲しくなってきたなと思った 2018/9/19。ちょうどタイムセールをやっていて少し安くなっていたので購入をしてみた。 ...
デジタル温湿度計 ThermoPro TP-55 を追加購入
はじめに  少し前に購入した ThermoPro TP-50 の精度にはだいぶ満足出来たので、今回は壁掛け用に画面の大きな同 TP-55 ...

 しかし表示が一致しようとそれが本当に正しいのかどうか何か検証する手立ては無い物かとググっていたら飽和塩法という手法を知ることとなった。

飽和塩法

 水に溶けきらない量の塩を入れて底に沈んだ塩粒が見えるような水溶液を作成する。これを飽和水溶液と呼ぶ。また、この時の塩とは塩化ナトリウムとする。
 この飽和水溶液を密閉した容器に収めて放っておくと容器内の湿度は次に示す温度条件によって特定の湿度を示すようになる。

温度 (℃)塩化ナトリウム
575.7±0.3%
1075.7±0.3%
1575.6±0.2%
2075.5±0.2%
2575.3±0.2%
3075.1±0.2%
3574.9±0.2%

(JIS B 7920:2000 「塩の飽和水溶液と平衡にある空気の相対湿度」より抜粋)

 塩化ナトリウムを用いた場合では温度による差が小さく大まかに 75% になると憶えておけば良い感じだ。
 今回の検証では塩化ナトリウムとは言っても料理用の塩を使ったので、純粋な塩化ナトリウムではなくて多少なりマグネシウムなどのミネラル成分も混在しているが、その分の影響は無視する事とする。

検証方法

 なんどもリテイクを繰り返しながら最終的に行き着いた物はタッパーの中に空気循環用ファンと飽和水溶液、検証するデジタル温湿度計を封入する方法となった。
 チャックの付いた袋に封入するだけだと 50 時間以上経過しても湿度 70% にすら到達する事が出来なかったが、空気循環用としてファンを入れたら物の 1 時間もあれば余裕で到達した。

 そして今回の検証環境がこれ。検証開始から 6 時間と少し経過した時点で撮影。
 対象のデジタル温湿度計は ThermoPro TP-50 と TP-55 に加えて以前レビュー依頼にて提供頂いた Digstar GEHM025AB の 3 機種にした。

 密閉するとは言う物の適切な物がなかったので若干空気が通るらしいポリエチレン製のラップを使用した。それでも期待した結果を得られているのでこうした簡易的な検証ではラップでも十分だったのかなと。

検証結果

ThermoPro TP-50

 ThermoPro TP-50 の仕様上、精度は湿度 30~80% の範囲内では ±2% という精度の高さだが、結果として -1% という結果となった。
 これは十分過ぎる精度で信頼出来るデジタル温湿度計であると分かった。

ThermoPro TP-55

 ThermoPro TP-55 も TP-50 に同じく湿度 30~80% の範囲内では ±2% という精度が仕様。結果も同様に -1% という結果になったが、データをまとめているときにチラ見したら短時間だけ 75% を示したので限りなく 75% に近い 74% を示しているのだと思う。
 筆者の持つ個体では TP-55 の方がより理論的な値に近い湿度を示していると思われる。

Digstar GEHM025AB

 このデジタル温湿度計に関しては色々調べてみても仕様が見つからず誤差をどの程度持つのかも分からない状態となった。
 表示上では 78% となり、この記事を書いている間に 79% を示したので誤差としては +4% と少し大きなズレが見られた。

検証してスッキリ

 ThermoPro TP-50/TP-55 の個体精度が良い事は以前掲載したレビューで分かっていたが、今回の検証を経て計測された湿度も仕様上の誤差範囲内にキッチリ収まっておりおおよそ正しい数値を表示すると分かった。
 筆者は結構こだわり始めると神経質になるタイプなので「これは正しいのか?」「では何を以て正しいとするか」と考え倦ねる様な感じだったのだがこれでやっとスッキリ出来た感じがある。

 ThermoPro TP 系を購入するまでは Digstar GEHM025AB を手元に置いていたが TP-50 と比べると高めの数値を常に表示していた。これも今回の検証で GEHM025AB は高く表示される理由も分かったし誤差が TP-50 等よりも大きいからもう使わなくて良いなと言う判断にも繋がった。

今後の課題的な何か

 塩化ナトリウムを用いた飽和塩法ではおおよそ 75% の湿度を示すが、もっと低い湿度の時の精度はどんな物かと次なる疑問が湧いてきている。
 同じ飽和塩法に於いても塩化マグネシウムを用いればおおよそ 32% の湿度環境を作り出せるそうなので、時間があれば挑戦してみたいと思う。
 塩化マグネシウムはいわゆるにがりなのでその辺のスーパーでも行けば手に入ると思うが、そんな大量には要らないので買っても無駄になる割合の方が大きいかなーなんて思ってみたり。

検証の失敗談

 初めの失敗は既に記載したチャック付きの袋に飽和溶液と湿度計のみを密閉したやり方。内部の空気は殆ど流れないので湿度の上昇にもの凄い時間がかかり、50 時間以上経過しても終わる気配が無くて途中で切り上げた事。そのまま続けていても更に 50 時間かけて結果が出るかどうかわからないし、湿度が安定化したかの判断も出来ないという考えが切り上げた理由。

 次の失敗はタッパーに入れた小皿を大きめにした物の、空気循環用ファンの高さを稼ぐために使っていた割り箸が飽和水溶液と触れており木が水だけを吸った結果、割り箸の表面積分だけ気化しやすくなって湿度が急上昇したという事。アッという間に 80% に到達した。
 これはもう一度割り箸でファンの足を作り直しつつ、飽和水溶液を入れる小皿も小さくして解決したので原因は水を吸った割り箸であると判明。

 飽和塩法による湿度検証を行うのであればファンを用いて空気の対流を起こした方が何十倍もの時短になるので絶対にやった方が良いと思われる。

追試でダメパターンなデータが取れた

 検証した環境を片付ける前に TANITA とダイソーで売ってる 100 円のアナログ温湿度計も突っ込んで検証する事にした。
 まだ湿度が安定化したと判断できるほど経過していないにも関わらず、明らかに高すぎる結果が出ていた。
 TANITA は 95% を示し仮に容器内湿度が安定していたとしても +20% の誤差、ダイソーのやつは 85% 程だろうか。こちらは同 +10% の誤差になる。
 温度計に関しては問題無いけど湿度が駄目すぎるので廃棄かなと。

オススメのデジタル温湿度計

 本検証で対象とした ThermoPro TP-50 と TP-55 はおおよそ正しい湿度を示すと分かったので、取り敢えず安価でもあるしデジタル温湿度計が欲しいという方には是非オススメしたいと思う所。2 年保証も付いているから故障しても新品交換してくれるし。

スポンサーリンク