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こつこつデータを取って記事を書く下準備をしていたのだが、いざ記事を書こうと A10-5800K マシンを起動したところ、HDD が壊れて何もかもが飛んでしまった。よって、予定を変更して A8-3870K の時と同じくゲームの動作状況をデジタルビデオカメラに収めた物と、収めた動画のエンコードを行った際の内容となる。
1. PC 構成
APU | AMD A10-5800K (3.8GHz / TC 4.2GHz, Quad-Core, TDP100W) |
FAN | ENERMAX ETS-T40-TB *Samuel 17 から変更 |
MEM | CFD W3U1600HQ-4G *XMP Profile2 で 1866MHz 動作 |
M/B | GIGABYTE GA-F2A85X-UP4 *BIOS ver.F2 |
HDD | SATA 250GB *120GB が壊れたので変更 |
Case | ZALMAN Z9 Plus *バラックからケースへ収めた |
PSU | R-Senda SD-660EPS (500W 80+Bronze) |
OS | Windows8 ReleasePreview Build 8400 64bit |
APU は OverClock させた状態で常用させている。CPU 4.4GHz TCB:off Vcore:1.4500V、iGPU 900MHz とし、メモリは DDR3-1866 動作させている。
尚、「Trinity を試す。A10-5800K 試用」の記事を書いた当時と比べ、バラックの使用をやめてケースに収めた事と CPU クーラーが Samuel 17 から ENERMAX ETS-T40-TB に変更となっている。ATX なのでより冷却性の高い物へと変更したという事になる。
2. ゲームの動作感
趣味として 3D MMORPG をプレイしているので、APU 単体でゲームが動いてくれることは非常にありがたい。A8-3870K で既にプレイしているタイトルがそこそこ快適に動いてくれる事は確認済み。A10-5800K は A8-3870K よりもパワーがあるので、より快適に動くかのチェックとなる。
プレイしているタイトルは NCsoft が運営している The Tower of AION。DirectX 9 を用いた 3D MMORPG だ。グラフィックが綺麗ではあるが、負荷も相応にあるので「どこまで快適性を求めるか」が課題となるが、非常に重い「攻城戦」と言った戦争に参加はしないと割り切れば充分プレイする事が出来る結果となった。
以下、実際にゲームを起動して動かしつつ、AMD System Monitor で CPU と iGPU の使用率が見えるようビデオカメラで撮影した動画をアップしたので、載せておく。
基本的に CPU/iGPU のパワーは足りており、比較的オブジェクトの少ない軽い場所ではゲームクライアントの FPS 制限である 60fps にかかり、そのまま維持する事も珍しくない状態であった。また、場所によっては AthlonII x4 640 に GeForce GTX560Ti を載せたマシンよりも 10fps 程上回る様な場面もあった。これは純粋に CPU の性能差が現れた物と解釈しているが驚きの結果である。
それでいて消費電力を見てみれば、A10-5800K マシンはゲームをしていても 100~150W 程度に収まるが、AthlonII x4 640 マシン側は dGPU もあるせいか、同じ動きをさせていても 150~200W 程である。省エネ。
今回行ったテストでは、HDD に OS とゲームクライアントをインストールした形だったので、どうしてもローディングが遅い。致し方ない所ではあるが、SSD に変更することで更に快適な環境が出来る物と思われる。
3. Windows MovieMaker 2012 で動画の編集/エンコード
Windows8 では OS レベルでの GPGPU がかなり有効に働いてくれると言うことで、A8-3870K の検証時にはその恩恵を多大に受けた結果を見せてくれた MovieMaker 2012。今回は映像ソースとして、上で載せた長めの動画を編集してエンコードする事とした。比較環境として AthlonII x4 640 + GeForce GTX560Ti マシンでも同じプロジェクトを用いてエンコードさせることで性能差を比較したい。
動画編集と出力は A10-5800K マシンで行い、出来上がったプロジェクトをそのままコピーし AthlonII x4 640 マシンでも同様にエンコードを行った。エンコードのパラメータとしては、解像度 1280x720、ビットレートは 8Mbps とした。音声に関しては不要なので「音声無し」の動画として出力をした。
A10-5800K マシンと AthlonII x4 640 マシンでのエンコードにかかった時間は以下の通り。
A10-5800K + iGPU (Win8) | 368 秒 |
AthlonII x4 640 + GeForce GTX560Ti (Win7) | 450 秒 |
この様な結果となり、1 世代前とは言えミドルクラスの dGPU を載せたマシンであっても A10-5800K に劣る結果となった。7 分 51 秒の動画をエンコードする上で、82 秒の差はかなり大きいところではなかろうか。
4. 今回のまとめ
APU 単体としての性能が A10-5800K が出現したことにより Llano 時代よりも向上し使い勝手も良く、ゲームもより快適に遊ぶことの出来るマシンを安く組み上げることが可能となった。
実際にゲームを動作させても「これでグラボ無しなんだよね?」と素直に感動を得ることが出来る。ヘビーユーザに向く物ではないが、サブ機的な位置取りで捉えられれば充分な性能を見せてくれる。加えて省電力だ。
また、今後はエンコード環境にも OpenCL 等のハードウェアアクセラレーションがより浸透してくれると思うので、ワットパフォーマンスの良い環境を構築していけるハズ。この辺りは HSA 関連の動きに注視したい所だ。
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