Trinity を試す。A10-5800K 試用

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 本日 10/02 19:01 より販売が開始された “新 APU 開発コード Trinity” を使った基本的な所を書いていこうと思う。

使用する APU は Trinity 最上位である A10-5800K に加え、M/B はチップセットに A85X を搭載した GIGABYTE の F2A85X-UP4 になる。


 まず、APU と M/B は 9/13 に日本 AMD 社で行われた勉強会に参加した為、後日送付という形にて、ご提供頂いた物となります。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

1. A10-5800K 仕様

A10-5800K ヒートスプレッダ

A10-5800K ピン配置。SocketFM1 との互換性無し

A10-5800K
CPU Clock3.8GHz
TurboCore Clock0 4.0GHz
TurboCore Clock1 4.2GHz
Piledriver Module2
CPU Thread4
L1 CacheData 64KB + Inst. 128KB
L2 Cache4MB
iGPURadeonHD 7660D
TDP100W

TurboClock の State は 2 段階
SP 384, GPU Clock 800MHz

対応している機能 (太文字は Trinity からの新機能)
* DirectX11
* AMD Radeon DUAL GRAPHIC TECHNOLOGY
* AMD TURBO CORE 3 TECHNOLOGY
* AMD HD3D
* 1080p FULLHD
* DisplayPort 1.2
* HDMI 1.4a
* USB 3.0
* SATA 3.0 (6Gbps)
* AMD Eyefinity Technology
* AMD HD Media Accelerator

Trinity と Llano の比較
TrinityLlano
ProcessRule32nm32nm
DieSize246mm²228mm²
Transistors1303,000,0001178,000,000
TDP17-35W / 65-100W34-45W / 65-100W

2. PC 構成

 今回も A8-3870K に引き続きケースに納めず、バラックのままに各種動作テストを行う。構成としては dGPU を載せない APU+M/B+MEM+HDD と、最小限の構成で使用した。
 メモリに関しては iGPU を使用する場合、DDR3 の動作クロックが上がるほどパフォーマンスも上昇する。その為、AMP Profile を使用して 1866MHz にて安定動作。(動いてしまったので ok とした)

APUAMD A10-5800K (3.8GHz / TC 4.2GHz, Quad-Core, TDP100W) *
FANPROLiMA TECH Samuel 17
MEMCFD W3U1600HQ-4G (DDR3-1866 相当に OC 済)
M/BGIGABYTE GA-F2A85X-UP4
HDDSATA 120GB
CaseWinDy MT-1300PRO の M/B マウンタのみ
PSUR-Senda SD-660EPS (500W 80+Bronze)
OSWindows8 ReleasePreview Build 8400 64bit

* iGPU の 7660D のドライバとして、Catalyst 12.8 を使用。

3. Benchmark

 今回のレビューからベンチマークデータ採取に於ける “レギュレーション” を作った。
使用するベンチマークと設定、目的は以下の通り。
* 3DMark06 – Basic Edition / デフォルト設定 / DX9.0 性能
* 3DMark11 – Basic Edition / Performance Test / DX11.0 性能
* CINEBENCH R11.5 64bit / CPU Test, OpenGL Test / CPU 演算性能
* AMD OverDrive / “パフォーマンス制御” にある “ベンチマーク” / CPU 演算性能
* Windows Experience Index / PC 総合性能
* Passmark PerformanceTest 7.0 評価版 / CPU Test / CPU 性能

 また、A8-3870K のベンチマーク取得時に比較用として用意した AthlonII x4 640 の
データを流用し、比較出来る物に関しては入れ込むことにした。

3-1. 3DMark06
 所感としては A8-3870K の RadeonHD 6550D よりも “滑らかさ” を感じる動きであった。
スコアも 9165 と、6550D のスコア 7103 から大幅 UP。
 消費電力は大まかに 100~140W を上下し、最大で 175W となった。

3DMark ScoreSM2.0 ScoreHDR/SM3.0 ScoreCPU Score
A10-5800K + iGPU9165328838344405
A8-3870K + iGPU7103244228894542
AthlonII x4 640 + GF560Ti13646460871303909

3-2. 3DMark11
 順当にスコアが上昇し、A8-3870K の P1100 と比べると、P1562 へ上昇。実際 DirectX11 を用いたゲーム等は持ち合わせていないので、どの程度ソフトを動かせるかは分からず。
 当然ではあるが、dGPU としてミドルレンジな GeForce 560Ti を載せた AthlonII x4 640 には遠く及ばず。Radeon 系の dGPU は持っていないという不届き者なのはご容赦を。

3DMark ScoreGraphics ScorePhysics ScoreCombined Score
A10-5800K + iGPUP1562142937491332
A8-3870K + iGPUP11009923577904
AthlonII x4 640 + GF560TiP4206491630182820

3-3. CINEBENCH R11.5 64bit
 CPU 演算性能と OpenGL の性能を見ることが出来る。A10-5800K で初めて実行したときは「あれ?」という結果になった。A8-3870K よりも 0.5 ポイントほど低下した結果になった。後のベンチマークを見ると分かる所だが、FPU が非力である為の結果になった。
 A8-3870K の OpenGL はエラーが出て計測していなかった為、N/A とした。

CPUOpenGL
A10-5800K3.2638.0
A8-3870K3.54N/A
AthlonII x4 640 + GF560Ti2.5423.33

3-4. AMD OverDrive
 AMD の APU/CPU 用ユーティリティ。OverClock の調整や温度などのロギングが行える便利なソフト。この中にベンチマーク機能があるので、それを実行した。

整数計算浮動小数点計算メモリ速度キャッシュ速度
A10-5800K4000017210243021488
AthlonII x4 6401584014900230214021

3-5. Windows Experience Index
 いわゆる Windows のシステム評価という、PC の総合的なパフォーマンス指標になる数値。Windows7 は 7.9。Windows8 は 9.9 までの範囲で測定される。あくまで指標とはなるが、ブレが少ない為に大雑把な比較では使いやすい。

プロセッサメモリグラフィックスゲーム用グラフィックスプライマリハードディスク
A10-5800K + iGPU7.37.36.76.75.2
A8-3870K + iGPU7.37.46.66.65.6
AthlonII x4 640 + GF560Ti + SSD7.37.37.77.77.6

3-6. Passmark PerformanceTest 7.0 Evaluation
 評価版であれば 30 日間のみ使えるようなので今回初めて実行してみたソフト。CPU Mark はメディアでよく見かける数値であり、オフィシャルサイトでは膨大なデータがあるので、CPU 演算性能の比較には最適な物の一つかもしれない。
 ソフトの機能として比較対象を加えつつ、グラフに出来たのでスクリーンショットをそのまま掲載する。尚、”This Computer” と書かれているグラフは A10-5800K を OC させている物となる。TurboCore の State を弄る形で MAX Turbo で 4.4G、Turbo で 4.2G。標準は 4.0G に OC した物。詳細は「5. OverClock」にて。

4. Vcore の調整

 A8-3870K の時に嵌まった事だが、高めの Vcore がかかっており、自分である程度下げて上げないと発熱に辛い物があった。A10-5800K でも 1.4375V と高く、先ずこれはやっておくべき事なのだろうなと言う事で、早い段階で弄った箇所でもある。
 取り敢えずは、クロックは定格。そこから TurboCore 機能を OFF にしつつ Vcore を落とし、Prime95 で CPU 部に負荷をかけ続ける事を繰り返した。この結果、うちの固体では定格 3.8GHz 時では Vcore 1.3000V まで落とす事は出来た。
 高負荷時の消費電力はワットチェッカ読みで 145~150W。CPU クーラーは Samuel 17 を付けた状態でコア温度は約 45℃、センサ温度約 62℃ という結果になった。コアが 50℃ 以下なので充分。アイドル時の消費電力は 48~50W 程度に収まっている。

A10-5800K Default Vcore
TurboCore1TurboCore0
Vcore1.4375V1.4500V1.4750V

M/B によって与えられる Vcore が変わるかも知れないので、参考程度に。
これを自分なりに調整したのが次の電圧。

A10-5800K Tuned Vcore
TurboCore1TurboCore0
Vcore1.3000V1.3500V1.4250V

 調整する要領は OC と同じく、TurboCore を OFF にしてクロックを固定化。電圧を落としていきながら高負荷を延々かけても落ち無いポイントを探る。この調整には AMD OverDrive を用いた。AOD の自動調整はクリックした瞬間に OS が落ちたので一応注意が必要。

5. OverClock

 k10stat が使えればかなり楽な作業ではあるが、如何せん使うことが出来ない。よって、AMD 純正の AMD OverDrive を用いて OverClock を行った。
 個人的にあまり Vcore を盛った OC という物が好みでは無く、極力デフォルトの Vcore のままクロックを上げたい人なのだが、盛らないと伸びないので仕方なしにアプローチを変えてみた。
 OC 時には TurboCore を OFF にするのが主な作業にはなると思うが、敢えて TurboCore 3 の機能を使いつつ APU にクロック制御を上手い具合に宜しくやって貰おうという主旨だ。
 これは TurboCore 時の動作倍率と Vcore のそれぞれを調整する事で実現させてみる。MAX Turbo 時のクロックを 4.4GHz@1.4750V、Turbo 時を 4.2GHz@1.4250V、非 Turbo 時の最大クロックを 4.0G@1.3500V にしてしまう。
 結果として、不要に高クロックであり続けるより、必要な時に必要なコアだけがより高いクロックで居てくれるし、余裕があれば iGPU のクロックも上がってくれてるかもしれないという寸法。確証は無いので間違っている解釈であればご指摘頂ければと思う。
 また、Vcore をもっと盛った OC はまた後日試してみようかなとは思う。

6. A10-5800K の感想

 細かい機能的なツッコミは今回の記事では行わなかったが、直接動作に関わる TurboCore3 に関しては動作に関して調べる必要がある。クロックの切り替わりがキビキビしており、P-State 監視の優秀さを感じる挙動を見せてくれた。Llano と比較し、2M4C という構成で FPU 部の非力さは否めないが、その分 ALU の性能が良く CPU パートの総合性能は良い結果となったと思って居る。
 試用する OS をまた Windows8 としたが、やはり GPGPU を多用してきた OS とは相性が非常に良いようだ。iGPU の性能もローエンドの dGPU 以上の性能があり、単体でゲームをする事さえ出来てしまう。これは A8-3870K からの事ではあるが、更に快適にはなるだろう。
 個人的なクラス分けをしてしまうとなれば、CPU パートは 10000 円前後の性能。iGPU も 10000 円前後の性能と言った所だろうか。

7. 次回

 予告となる。ハードウェア的な何かに続いてはソフトウェア的な何かをお送りできるよう善処したい。

別記事
 Coneco.net さんの所にも日頃から記事を載せているので、今回もまた書いておいた。内容的にはこの記事と同じだがスクラッチして書いているので時間喰ってしまった……
AMD A10-5800K Black Edition BOXのレビューと評価: ワットパフォーマンスが更に良くなった APU [coneco.net 商品レビュー]
http://club.coneco.net/review/Review_Detail.aspx?rev=104846

続きの記事はこちら。
A10-5800K でゲームとエンコード

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