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Ryzen マシンになって 2 週間とちょっとが経過した。メインマシンなので当然毎日使用する物だから向上した処理速度に対しても体が慣れてきたけど、なにか些細な事で処理落ちするような事もほっとんど無いので非常に快適である。
今回は Ryzen 5 1600 を用いたマシンの所感、いわゆる使い心地的な内容として筆者なりに書いていこうと思う。
SMT に対する懸念と杞憂
AMD の CPU としては初めて Simultaneous MultiThreading (SMT) が使われている。これは 1 つのコアで 2 つのスレッドを実行出来る様にすることで OS からは CPU が 2 つあるようにする機能だと大雑把に言える代物。Intel の CPU ではかなり昔から Hyper-Threading Technology として存在するが、それと同じ技術になる。
Ryzen 5 1600 は 6 コアの CPU で SMT を有効とする事で実質的に 12 スレッドの処理を行える。6C12T なんて略した表記も用いられる。タスクマネージャーを覗くと CPU の使用率を表すグラフが 12 個表示されるので気持ちが良い。勿論 Ryzen 7 シリーズなら 8C16T なので 16 個表示される。
この様にして物理的なコアは 6 個とし SMT により論理プロセッサとして 12 個カウントされている。
今更なんだという SMT に関するお話しだが、物理 1 コアで 2 スレッドを実行する事により 1 コアあたりの処理能力を効率良く使いきる形となる。
それ故に Ryzen 5 1600 の場合 12 スレッド全てが 100% の使用率になった時、画面描写や割り込み処理に回す処理が足りなくなりマウスカーソルがカックカクになったり画面描写がおかしくなったりするのかなと言う懸念があった。これは相当昔のお話しだが Intel の CPU で良く発生していた事が理由。
実際に高負荷状態を作るべく IntelBurnTest という CPU に高負荷をかけるソフトウェアで全スレッド使用率 100% 状態を作り出しながら他の操作も行うテストを行った。
結果からすると懸念していたほどカク付くとかフリーズしたような状況には陥らず、ある程度は他の操作も受け付けてくれていたのでこれは一安心。ただ FX-8350 と比べると引っかかりを多く感じる結果とはなったが致し方の無いことだろうと思われる。
ちなみにこの IntelBurnTest は OCCT や Prime95 で長時間の負荷テストが通っても IntelBurnTest だと PC が落ちちゃう事もあるくらいに半端無く負荷が高くなるので CPU のセッティングや冷却面に不安のあるシステムで実行するには要注意である。
Ryzen 環境に於けるストレージ性能
FX-8350 + FX990 という組み合わせでは一部 SSD では性能を出し切ることが出来ないことも実際にあった為、Ryzen SoC 若しくはチップセット側の SATA コントローラーではどうだろうと気になっていた。
実際に相性的な問題で性能を出し切れなかった SSD は昨年レビューを執筆した WesternDigital の WD Blue SSD がある。
WD Blue SSD の 1TB モデルは TLC NAND を採用したドライブで公称スペックではシーケンシャル Read 545MB/s, Write 525MB/s であるが、FX-8350 + 990FX 環境では次のような結果となってしまっていた。
つまり SSD の性能を引き出せない状態に。
これが Ryzen 環境となるとバッチリ性能を出し切る結果が出た。ただし、既に容量の半分以上を使っている状態なのでベンチマークとしてはあくまで参考記録となる。
特に SSD では重要となるデータサイズが 4K の読み書きが向上している。4K Q32T1 は Read/Write 共に +100MB/s と劇的だ。おかげで OS の起動が恐ろしく早く感じる。
MLC タイプの SSD である一昔前の TOSHIBA ドライブも特に問題無く速度が出ていた。
ただこうして速度を計測してみると TLC でも MLC でも速度に問題は何も無いんだなと思った。
このように今までよりもストレージ性能を引き出せるようになったことで、CPU の処理性能も相まって総合的な体感速度も著しく向上する。
ただし、体感的な速度という物は時間の経過と共に慣れてくるので、システムを入れ替えた直後である今だからこそ感じる物だ。半年先、一年先に同じ事を言えるかどうかは分からない。
体感的な速度向上よりも運用上のストレスを感じ無いことの方が重要かと思うが、FX-8350 で 4 年以上戦ってきた筆者は Ryzen 5 1600 なら 5 年位は戦えると断言出来る性能だ。
Ryzen マシンの使い心地
CPU が FX-8350 の物理 8 コアから Ryzen 5 1600 の 6C12T になることで特には動画エンコードが劇的に速くなった。24 分のアニメソースを HEVC エンコードすると 30 分位かかっていた物が 20 分を切る速度にまで上がった。
HandBrakeCLI による適当エンコに至っては 1 本の TS ファイルあたり平均しても 10 分を切ってくる。
尚かつそれでいて消費電力は 250W 強から 150W 前後にまで低下。とにかくワッパである。翌月の電気代の請求額が楽しみだ。
良い事しか無く、悪いと思うところは無いのがまた辛い所。
PC の電源 ON からロック画面表示までの速度
PC の電源を入れた所から Windows10 のロック画面が表示されるまでの様子を動画に収めてみた。
電源投入の瞬間から UEFI ブートする時のロゴが出るまで 17 秒。そこから更に 5 秒で Windows10 のロック画面が表示された。
トータルで 22.65 秒となり速度としては十分な物となっている。
おわりに
今回は Ryzen 5 1600 マシンにする事で前から気になっていたことに対する結果が中心のお話しになった。
ベンチマークのスコアも重要だが、実際の使い心地も大事。数値で表現出来ない分、他人に伝えるのが難しいだけに「どうやって書こうかな」なんて暫く悩んでいたが、まぁありのまま書き殴ってみるかと書いたらこうなった。
次回は
本来ならこの Part.3 で書こうと思っていた Ryzen 5 1600 とメモリを OC して行く様子を伝えてみたいと思う。
予定がずれ込んだ理由としてはまだレビューすら書いていないマザーボードをもう買い換えてしまったからという事になる。
ASRock AB350 GAMING K4 は OC しないなら安定していいんだけど、電源周りが弱く Vcore が結構大きく落ち込むので全然遊べなく不満が募ってきてしまったのが要因。新しいマザーボードとしては MSI X370 GAMING PRO CARBON を選んだ。これは細かく遊べて居るしもの凄く安定するので大変気に入っている。
記事更新歴
2017/06/30 18:20
誤字修正など。
2017/06/30 21:20
撮っておいた起動時の動画があった事を思い出したのでセンスのない文字入れをして掲載。
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