Ryzen 5 2400G マシンのメモリを G.Skill F4-3600C19D-16GSXW に買い替え

Review
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 やはり APU を使うとなるとメモリの動作速度に関してどうしても気になってしまう。
 速く動作するほどパフォーマンスが上がるのは Summit Ridge な Ryzen シリーズと同様で、更には iGPU の VRAM はメインメモリと共有なのでグラフィック性能も上がる。一石二鳥となるのだ。
 今までは CFD W4U2400CM-8G を DDR4-2933 まで OC をし、Raven Ridge がオフィシャルにサポートしている速度に合わせる形となっていた。
 しかしここまで来たならもう少し上の DDR4-3200 という一つの節目となるクロックを目指したくなってきた。
 そこで今回購入する事となったのが G.Skill F4-3600C19D-16GSXW となる。

購入動機

 F4-3600C19D-16GSXW は Intel 用の OC メモリであり Ryzen シリーズに対する対応可否は触れられていない。
 DDR4-3600 まで対応するようなメモリモジュールであれば DDR4-3200 も Latency 次第では十分狙えるだろうという希望的観測による購入だからある意味の賭けにもなった。
 なにより OC メモリの中では圧倒的な安さだった。ドスパラ通販にて税込み 24,000 円をちょっと切る感じだったから。

G.Skill F4-3600C19D-16GSXW (ドスパラ)

製品外観

 G.Skill F4-3600C19D-16GSXW のパッケージはブリスターパック。もはや殆どのメモリはこの形態で販売されている。

 メモリモジュールはヒートシンク付きで迷彩柄となっている。SNIPER と書かれているくらいなのでそう言うイメージなのだろう。どのみち PC ケースにサイドパネルは存在しないので隠れて見えなくなるからどうでも良い。

 メモリモジュール自体の高さは実測 43.2mm となっていた。

取り付け

 実際に組み込んでみるとメモリスロットの位置が丁度良く CPU ファンから外れてくれたので干渉は無しに。

メモリモジュール自体の確認

 Thaiphoon Burner を用いてモジュールのデータを読み込み、データを確認した。

 メモリチップは Hynix M-die だった。Ryzen とは相性がどうの言われている Hynix だけにちょっと不安があった。

 (2019/03/03 追記)
 当時使用していた Thaiphoon Burner 12.0.0.1 では Hynix M-Die とレポートされるが、同 15.0.0.2 のバージョンでは Hynix C-Die とレポートされる。

動作検証

 今回のメモリ交換により、サブマシンの構成は次の様になった。
 マザーボードである MSI B350 TOMAHAWK の BIOS は当然 Ryzen 5 2400G 対応は 1 つしかないので 1.C0 である。

 初回起動時は取り敢えず OC の項目より A-XMP から Profile1 にある DDR4-3333 動作を選んで起動させてみた。
 なんでも W4U2400CM-8G だったときはそんな速度選んだら CMOS クリアが必須なレベルで起動しなくなるので、一発ですんなり起動したってだけでホッとした。しかしそれもつかの間、CPU-Z の Benchmark 程度の負荷でブラックアウトしてマシンが落ちた。

 それならばと当初の目標通り DDR4-3200 動作の設定にしつつ動作タイミングを CL16-18-18-39 と設定したが Memtest86 はパスしても IntelBurnTest VeryHigh の途中でブラックアウト。
 ちょっと Latency 欲張りすぎたかなと CL18-18-18-39 にして再度同様にテストを行った。
 今度は IntelBurnTest VeryHigh も完走してくれてホッとしつつ念を入れて OCCT:CPU も 1 時間回したら完走してくれた。
 個人的には IntelBurnTest を完走すれば後はもう大丈夫かなとは考えて居るが、念には念をとしたかったので OCCT も追加した感じに。この 2 種を完走すれば滅多なことでは不具合も起きないだろう。

 結果として Ryzen 5 2400G で F4-3600C19D-16GSXW を使う場合、筆者環境では DDR4-3200, VRAM 1.35V, SoC 1.15V, CL18-18-18-39 というセッティングにて無事に動作出来た。
 そんなこんなで目標を達成出来たので満足。CL18 でも落ちたら正直どうしてくれようかと焦りもあったが……。

追加検証

 某掲示板で DDR4-3333 動作もしているよとスクリーンショット付きでアドバイスを頂いたので、敢えてそこに表示されていたタイミングよりキツい方から当たりを付けていく作業をしてみた。
 結果としてはアドバイス通りのタイミングに行き着いてしまったので、素直にそう設定しておけば良かったかなとも思ったり。
 DDR4-3333 動作では VRAM 1.35V, SoC 1.20V, CL20-19-19-39 とする事で IntelBurnTest VeryHigh を完走した。OCCT:CPU に関してはこの記事を書いている時点で「やり忘れたな」と気付いた。
 ただ、DDR4-3333 にしても DDR4-3200 とのパフォーマンス差が誤差レベルしかなかった為、より Latency の小さい後者の DDR4-3200 で使うことにしたから今となってはもう良いかなと言う感じに。

メモリ速度別 3DMark データ

 本当ならこれは Ryzen 5 2400G のレビュー記事用にと用意したデータをまとめた物だが、折角なのでこちらにも掲載しつつ後日また使い回そうかと思う。
 実はというか DDR4-3466 でも CL20 というゆるゆるな設定で 3DMark を回す事が出来たのでデータとして入れ込んだ。ストレステストは一切やっていないので常用出来るのかは不明。
 次のグラフの見るべき所は Graphics。メモリ速度が上がるほどグラフィックパフォーマンスが上昇している事が見られる。CPU 性能を示す Physics に関しても同様に微増している事も分かる。これがメモリ速度を稼ぐことにより得られるメリット 2 つだ。

 こうしてグラフ化してみるとメモリ速度を 266MHz ずつ上昇させていくと、各ステップで上昇するスコアも大体等幅で増加していくイメージになる。
 唯一 Graphics スコア 3,000 を切る DDR4-2133 は正直無いかなと思える。出来れば頑張って Raven Ridge のオフィシャルサポートな上限 DDR4-2933 は目指したいところ。
 そして DDR4-2933 から DDR4-3200 にした事で上昇したスコアは正直誤差レベルかもしれないなーという微増っぷり。しかしここは自己満足な世界という事で自分を納得させて終了となった。
 安定性という面に於いてもストレステスト 2 種を完走させているので、特に不安に思うところも無く今後もこのまま DDR4-3200 で常用しようと思う。

おわりに

 メインマシンで使用している G.Skill F4-3200C14D-16GFX よりも実売約 1 万円安いメモリで DDR4-3200 動作が出来たのは大きな収穫だった。
 もう少し Latency をキツく回したいなら 1 万円多く金を出しましょうという事でメモリの世界は金がかかる……。見合うだけの性能差があればいいのだけども、実のところは誤差レベル。
 本製品のように安くてもいくらか手間暇かけてあげるとそれなりに動作してくれちゃうとかなりお得な感じだし、こういうのも自作の醍醐味かなと思う。

その後の再調整

 メモリの OC 設定後に行うストレステスト環境を改めて考えつつ F4-3600C19D-16GSXW を DDR4-3200 CL16-18-18-18-38 で動作させることが出来たので別途記事にしておいた。

追記

2018/02/25 21:35

 万全を期すためにもっとストレステストをしておこうと OCCT:CPU を 2 時間にして実行した。
 こちら問題無く完走したので、F4-3600C19D-16GSXW を Ryzen 5 2400G 環境で使うに DDR4-3200 は安定したという事にする。

2018/02/28 14:55

 メモリの型番自体を間違えていたので全て修正をした。
 × F4-3600C19-8GSXW
 ○ F4-3600C19D-16GSXW

2019/01/02 17:30

 年もあけたという事で現状報告的な何か。
 本記事で調整したタイミングのまま特に弄らず約 9 ヶ月経過しているが、メモリが原因となった不具合は今のところ一度も発生せずド安定となっている。
 と言う訳で Hynix M-die でも Ryzen 系は CL 値こそ 18 とやや低めではあるが DDR4-3200 で十分扱えると言える。
 ただ、筆者は使ったことが無い物の同じ Hynix でも C-die の方がグッとよく回るらしい
 各所の情報や筆者自身の経験からすると Ryzen のメモリ選びは Samsung B-die > Hynix C-die >> Hynix M-die > Micron という序列になるのかなと感じている。

著者プロフィール
ぶっち

本格的に PC へ触れ始めてたのは 1990 年位から。
興味は PC 全般。OS は Windows と Linux などを嗜む。
プログラマやネットワークエンジニアを経てフリーに活動している 40 代も後半に入ったおじさんです。

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コメント

  1. ぶっちさん、お久しぶりです。(o^-^o)
    安いので調べたらメモリには珍しい「保証:1年間」になっていますね。
    ドスパラで安価で売られているメモリには
    どうも並行輸入品のような製品がちらほらと混じっているようですね。

    • 厚揚公太さん コメントどうもですーお久しぶりです!

       言われて確認して 1 年保証と今気がつきました (笑
       このメモリを選んだのは安く DDR4-3200 動作を狙えそうだったからという物でしたが保証に関しては盲点なようでした。
       取り敢えずヒートシンク付いてるから発熱面は安心だしクロックも製品仕様以下で使ってるから何とかなってくれると信じたいところです。

       今ならこのメモリよりも Ark で売ってる 2 万円程度の Samsung B-die 品を買う方が良いかも知れないですね。

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