Ryzen 7 3700X + G.Skill F4-3200C14D-16GFX で更に設定を詰める

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はじめに

 先日はメモリクロックと FCLK とファーストタイミングだけを弄って他 AUTO という手っ取り早い設定で DDR4-3733 安定動作させることに成功をした。
 しかし、色々ググって出てくるメモリ OC 時のベンチと比べてもいまいち帯域が低い感じがしてしまったので、DRAM Calculator for Ryzen™ で表示されるサブタイミングまで全て打ち込んだ設定を行うこととした。
 これがメモリ OC からタイミング詰めこみというある種の沼にハマってしまい、結局は自分の納得行く所まで弄り倒してしまうこととなり土日丸々使いきってしまった。

 そんなお話し。

ベース設定を作る

 以下に先日の記事のスクリーンショットを流用して貼り付けたが、取り敢えず「Profile version を V2 に」して緩い設定をベースにした。
 これに表示される値を全て打ち込んで行く。

更に詰める

 まだまだ納得行かないベンチ結果が出たので、Profile version を V1 にしてみたり Calculate FAST をクリックしてみたりして表示される値から全く変化の無い項目は除外しつつサブタイミングを少しずつつ小さい値にしていった。
 闇雲に小さくすれば良いというわけでは無く、数値には関連する項目を n 倍した数値などと細かい関連があるのでそこはググりながら手計算して弄ったりもした。
 CL16-17-17-17-36-60 としていた部分も CL16-16-16-16-34-50 等と詰めてみることも行ったが、何事も無かったかのようにエラーすら吐かず起動したので儲けたり。

 2019/10/31 11:30 追記
 細かい所をちょくちょく弄って見ると、結局の所ファーストタイミングは DRAM Calculator の V1 Profile の物、サブタイミング以降は Calculate FAST で表示される物に殆ど近い物となった。

最終設定

 なんだかんだと試行錯誤しながらベンチを取って最終的に納得した設定は次の通り。
 (2019/10/28 1:50 — tRTP を 12 から 6 に変更した物へ更新)
 (2019/10/31 11:30 — TrrdS, TrrdL, Tfaw, tRFC, GDM を調整した物へ更新)

 Ryzen Master の表示。

 TestMem5 1usmus_V3 を 5cycle で回したメモリのストレステスト結果。
 ピークでメモリモジュールの温度が 50.8 度に達した。IDLE 時 +13 度ほどになりメモリへの負荷強度がかなりの物と分かる。別途 OCCT Large も回すがそちらの結果は割愛。

AIDA64 Cache & Memory Benchmark でチューニング結果を

 AIDA64 というベンチマークソフトではメモリの帯域を計測する為のベンチマークが存在し、おおよそデファクトスタンダード的な物となっている。
 しかし筆者はこのソフトのライセンスを持っていないので、トライアル版でも唯一表示される Read の項目を主に頼ったチューニングとしていた。

 その結果がこれ。

 DDR4-3200 CL14 と比べるとお手軽に DDR4-3733 CL16 とした Take.1 との帯域差は一目瞭然。
 サブタイミングを色々弄ってみた Take.2 で若干伸びたがそれでも納得出来ず。
 ファーストタイミングを欲張って縮めた Take.3 で少し大きく帯域が延びてくれた。
 更に詰められそうなサブタイミングをググりながら調べつつ弄った物が Take.4。
 最終的に tFAW と tRFC を一気に詰めた Take.5 で 55,000MB/s オーバーしたのでここで幕引きとした。この数値を出した設定は上にある「最終設定」の項目の物。

 2019/10/28 1:40 追記
 どうしても気になるパラメータがあったので Take.6 を追加した。
 tWR が 12 なのに tRTP も 12 になっていたので、tRTP = tWR/2 に則って tRTP を 6 に修正した。

 2019/10/31 11:30 追記
 また気になるパラメータがあったので Take.7 を追加。

  • TrrdS 6 → 4
  • TrrdL 8 → 6
  • Tfaw 24 → 16
  • Trfc 348 → 298
  • GearDownMode Enable → Disable

 と弄って Read 56GB/s 越え。

DRAM Calculator の MEMBench 結果比較

 DRAM Calculator for Ryzen™ には MEMBench というベンチマーク機能があるのでそれも DDR4-3733 でチューニング前後のデータを掲載する。

 こちらがファーストタイミングのみ調整の DDR4-3733 設定最初期の結果。

 こちらは最終的に詰めたときの結果。

 実行時間が約 52 秒も縮まる結果となった。
 メモリのチューニング前後でここまで結果に差が出るようなベンチマークはそうそうないだろうと思う。

 2019/10/31 11:30 追加
 更に詰めた時のベンチ結果

おわりに

 なんだかまだ詰められそうな感じがしないでもないけど、本当に切りがない
 ストレステストの時間も洒落にならないしメモリモジュールの発熱が気になり出すような温度になって来ているから良い所で「とりあえず」止めておこうかなと。

 今回のメモリチューニングでやっと Ryzen 7 3700X のレビュー記事で使用するデータを取り直したので、次はやっと本編となる CPU 自体のレビューにでも移ろうかと思う。
 メモリ OC の影響がどう及ぶかなんてお話しもそちらで触れていきたい。

参考リンク

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記事更新履歴

2019/10/28 1:50

  • 追加で Take.6 を実行した事による変更されたパラメータを差し替え。並びにグラフも差し替え。
  • 参考リンクの追加

2019/10/28 11:35

  • DRAM Calculator の MEMBench 結果を追加。

2019/10/31 11:30

  • また設定詰めたのでその旨を追記
著者プロフィール
ぶっち

本格的に PC へ触れ始めてたのは 1990 年位から。
興味は PC 全般。OS は Windows と Linux などを嗜む。
プログラマやネットワークエンジニアを経てフリーに活動している 40 代も後半に入ったおじさんです。

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