Jonsbo M.2-10 で NVMe SSD の発熱を抑え込む

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はじめに

 予てより Samsung 980 PRO の発熱具合を気にしすぎて、マザーボード標準ヒートシンクからサードパーティー製の大きめなヒートシンクに交換もした。
 更には サーマルパッドも高伝導率な製品を別途購入して貼り替えたし、GPU バックプレートからの発熱を受けていると考えて GPU をライザーカードで縦置きにも変更した。

 そこまでして尚、980 PRO の IDLE 時はケース内温度 (M/B センサー温度) 32 度の環境下で 44 度前後。

 あと少しなんとなならないのか、ファンを増設するしかないのか―― なんて考えていた折に Jonsbo M2-10 を知った。
 一時忘れはしていた物の、発売日である 3/23 が近づいた 2022/03/21 辺りの新製品情報を見て思いだしたので、その日に予約注文をしておいた。

 これで 980 PRO との戦いも終わると期待して。

Jonsbo M2-10 製品概要

スペック

 オフィシャルサイトより抜粋 +α

型番 M.2-10
冷却方法 アルミニウムヒートシンク + シロッコファン
動作電圧 DC 12V
入力電流 0.06A
入力電力 0.72W
ファン回転数 3000RPM ±10%
最大風量 4.81CFM
最大静圧 4.08mmH2O
動作音 最大 27.3 dBA
ケーブル長 実測約 250mm
サイズ 76.0 x 24.5 x 70.5 [mm]
重量 120g

パッケージ

 日本国内では Scythe が代理店となっている。

パッケージ内容

 M.2-10 本体のほか、サーマルパッドが 3 枚付属している。
 このサーマルパッドは 1mm 厚が 2 枚、0.5mm 厚が 1 枚となっているが、厚さが明記されていないので使用する際には目視確認しておくこと。

本体概要

 最大の特長はこのサイズ。
 20mm 位のファンを搭載した製品は多く見るが、シロッコファンを縦に配置しているので高さがある。
 このサイズから空冷 CPU クーラーでは物理的干渉も十分あり得るので注意されたい。

 どこの仕様表を見てもファンケーブルの長さが書いてなかったので、自分で測ったら約 250mm だった。

 ファンの接続は PWM 4pin 端子だが、結線は 3 本のみなので回転数制御を行うのであれば DC 制御になる。
 設定出来る下限電圧はマザーボードによりけりで、筆者の場合は 60% が下限となり、この時の回転数は 2100RPM 前後となった。

 PWM 制御には非対応。

NVMe SSD の取り付け

ネジの取り外し

 ネジ 4 つを取り外してベース部分を取り外す。

SSD をサーマルパッドでサンドイッチ

 ベース部分に 1.0mm 厚のサーマルパッドをキッチリ乗せておく。

 サーマルパッドの上に SSD を乗せる。位置合わせに関しては後述の通り修正する。

 SSD の上へ更に 1.0mm 厚のサーマルパッドを乗せる。
 基板両面に NAND が実装されている製品の場合は 0.5mm 厚のサーマルパッドでも厚みが足りるかもしれない。

SSD の位置合わせ

 ベース部分には半円のネジ止めの為の切り欠きがあるが、そこに合わせると最終的にマザーボードへの固定で手こずるハメになる可能性が高い。
 その為、SSD の端子側にある突起をベースと合わせる事で起きる問題を緩和出来る。

 この通りに位置合わせすると、ネジ止めする側はベースからはみ出る感じになるがこの方が良い。

ヒートシンク取り付け

 ベースとヒートシンクのネジ穴位置を合わせながら垂直に乗せ、サイドから 4 箇所ネジ止めするだけ。
 ベース底部とヒートシンクのトップを握るように指を掛け、密着させる様に軽く力を入れながらネジを締めると良いかも。

 SSD の端子側はこう。

 反対側のネジ止めするほうはこんな感じに。
 ちょっと分かりづらいかもしれないが、ベースに SSD を乗せるときにこちら側で位置合わせしてしまうと、ファンが入ってるボックス部分が邪魔でマザーボードの M.2 スロットへ固定するときに垂直にネジ止めする事が出来なくなる
 少し SSD がベースからはみ出るように乗せた理由がこれ。

 ヒートシンクには半円の切り欠きがあるのにファンのボックスには無い…… というのはあと少しの気配りが欲しかったかも。

 最近マザーボードにある M.2 固定にネジ不要な Q-LATCH とかあればこの様な細かな配慮は不要なはず。

マザーボードに固定

 雑に付けると配線が見えて汚くなりそうだったんで、GPU はライザーから外して乗せることにした。
 M.2-10 のケーブル長が不明だったんで、別途 40cm の PWM FAN 延長ケーブルを購入していたが手持ちの 20cm 延長ケーブルで足りちゃったから製品情報って大事だなって思った。

 M.2-10 の向きはロゴがそのまま読めるような感じにした。この時は CPU 周囲の空気を吸い込む。ケーブルはケース背面方向から出るので隠しやすい。

 既にマザーボード上の CHA_FAN1~3 は全て埋まっていたので、高電力用の H_AMP 端子に接続した。
 どうしてもファン端子が足りない場合はケースのリアファンあたりの回転数と同期させる形でデイジーチェーンすると良いかもしれない。
 あとはケーブルが遊ばない様にケーブルクリップを貼り付けてあげた。白い両面テープが気になったら油性マジックで黒く塗るかも。

冷却性能を見る

 980 PRO の温度は HWiNFO を用いて確認を行った。室温は 26 度となる。M.2-10 以外のデータに関しては過去データからの引用である、室温 25 度となっている。

 この通り、Jonsbo M.2-10 はアクティブ空冷なだけあってズバ抜けた冷却性能を持つ。
 更に冷やしたい場合は DIY 水冷をしないといけないかもというレベルだ。

使用感

 冷却性能はこれ以上無いレベルの物が得られた。
 980 PRO が IDLE で 30 度台を見られる日が来るとは―― なんて感じで。

 で、M.2-10 はシロッコファンを最大 3000RPM で回転することで冷却性能を稼ぐ。
 筆者環境ではファンカーブ未調整の為、2300~3000RPM のあいだで変動する感じだが、3000RPM までなら動作音を感じないレベルの静音性だった。

 シロッコファンをは 3000RPM との記載があるが、FanControl という Windows 上で動くファン制御ソフトで 100% にして見た結果、3600RPM まで回る事を確認した。流石に気になる音が出た。
 ±10% というスペックだが、+20% も行くのは凄い。でも寿命が気になっちゃうし流石に音が気になるからそこまで回すことはない。

おわりに

 冷却性能はこれまでで最高の温度低下が見られたので十分過ぎる満足感を得た。
 動作音も大きくなった気がしないので、筆者にとってはデメリット無しで製品が持つ性能を享受できたことになる。
 CPU ソケット周辺のエアフローが少ない簡易水冷との相性が完璧な製品だろう。

 NVMe SSD の発熱が気になっていた方は是非。

記事更新履歴

記事更新履歴
  • 2022/03/26
    21:37
     記事公開
  • 23:25
     「本体概要」の項のファン制御に関する文章を修正。
  • 2022/03/30
    15:35
     冷却性能比較のグラフを作り直した。
著者プロフィール
ぶっち

本格的に PC へ触れ始めてたのは 1990 年位から。
興味は PC 全般。OS は Windows と Linux などを嗜む。
プログラマやネットワークエンジニアを経てフリーに活動している 40 代も後半に入ったおじさんです。

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