FX-8350 のクロックと電圧を詰めていく作業

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 引き続き今年もまた FX-Series に関する記事を書く事とする。発売当初から使っている FX-8350 だが、Unlock された CPU だけあって OverClock (以下 OC) をするなり Vcore を落として多少の消費電力低下を試みるのも面白い。
 今回は OC して CPU のパフォーマンスを上げつつ無駄な電力を削り落とし、自身にとってベストな使い方が出来るよう調整していく過程を記事にする。

先ずは定格設定から

 UEFI の設定を全く弄らない状態から OS を起動し、高負荷時の CPU 温度、消費電力、Vcore を見ていく。最終的にこのデフォルトからどこまでクロックを上げて消費電力を抑えられるかの指標とする。パフォーマンスの指標としては 3DMark11 のスコアを見る事にした。

 Vcore (IDLE/LOAD は CPU-Z 読みの実効値)
 設定値 1.36250V / IDLE 時 1.332-1.344V / LOAD 時 1.298-1.308V
 UEFI デフォルトでは Vcore は 1.36250V にされている。これに対して、実際に掛かっている Vcore を CPU-Z で見ると IDLE 時でも低下している。Prime95 にて負荷をかけるとそこから更に電圧が落ち込む。定格動作であれば問題の無い事ではあるが、OC を行う上では後々不安定要素となる。
 LoadLineCaribration
 UEFI デフォルトは AUTO であるが、Vcore の落ち具合からして実際には Regular の項目が選択されているか無効化されているかと思われる。
 各種温度
 温度の取得には ASUS SABERTOOTH 990FX R2.0 付属のユーティリティである「Thermal Rader」を用いて、Prime95 を実行した高負荷状態で取得した。
 CPU 63℃ / VRM 63℃ / M/B 34℃
 消費電力
 SanwaSupply TAP-TST7 を用いて実際の消費電力を測定した。IDLE 時はデスクトップを表示して放置中の物。LOAD 時は Prime95 実行中の物だ。
 IDLE 112W / LOAD 241W
 Benchmark
 3DMark11 を実行し、何も設定を変えずに Benchmark を走らせた結果が次の通り。
 Score P8889 / Graphics 9731 / Physics 7346 / Combined 6667

設定を詰めていく作業

 実際に OC を行ったり、Vcore を弄っていく様子を 1step ずつデータをまとめながら作業を行った。
 Step としては先ず CPU の Clock を上げる。Prime95 で負荷をかけ、取り敢えず 10 分程度 Error の発生が無ければ良しとし、Pass したら Vcore を落として消費電力の低下を試みる。再度 Prime95 で負荷をかけ、それでも安定しているようであれば LoadLineCaribration の設定を 1 段階落として VRM の負荷と消費電力を更に低下させると言った具合だ。
 これらをまとめたのが次の様になる。

 表にしてみると Vcore を落とすと CPU 温度と消費電力が下がる事を確認しやすい。IDLE 時の消費電力に関しては、無負荷時に CPU が滞在する State の Clock や Vcore を全く触っていない為、全て横並びとなる。
 個人的に重要視したいのはやはり Load Line Caribration の項だ。OC するのであれば AUTO ではなく、明示的に指定したい。取り敢えず HIGH としておけば Vcore の大きな落ち込みも無く安定してくれる。Vcore の設定を詰めていき、安定したところで Load Line Caribration の項目も 1 段階落とすのも有効な手段かもしれない。ここは余り高い設定をすると、VRM の負荷が増えて発熱量も増加。更にはシステム全体の消費電力も増加する。
 上記表にてグレーアウトさせた Step は途中でエラーがでたり、CPU のコアが熱くなりすぎて「ThermalShutdown」を引き起こした項目まである。特に 4400MHz で Vcore を 1.4000V とし、 LLC HIGH にした時は消費電力が 328W にもなり CPU 温度は 81℃ を越えた所で ThermalShutdown が発生。PC が停止した。「これはあぶない」とドキドキしたので、4400MHz 動作は止めて最終的に常用 Clock を 4200MHz と決めうちした要因となった。

最終的な常用設定

 少しずつ設定を詰めていき、失敗や怖い思いもしつつ最終的なセッティングが完了した。
 Clock は 4200MHz (200MHz x21)、Vcore 1.375000V、LLC Medium とし、更に NorthBridge の動作周波数をデフォルトの 2200MHz から 2400MHz に OC を行った。
 結果としてシステム全体の消費電力はデフォルトの 241W から 291W へと +50W になった。これは NorthBridge の OC を行ったのが主な原因。しかし、それが幸いして 3DMark11 のスコアとしては P8889 から P9059 まで上昇。CPU 温度は 63℃ から 69℃ に上昇。しかし VRM の温度は 63℃ から 62℃ と 1℃ 低下。
 バランス良くパフォーマンスが得られたかなと、割と満足の行く設定が出来た。この設定で 1 ヶ月ほど常用しているが、不安定になった事はなく、CPU が原因となる BSoD 等は発生していない。

まとめ

 Unlock モデルと言う事で、Clock を弄ったり Vcore を弄ったりと遊べる項目が多いので、設定を詰めて自己流にチューニングしていくのが非常に楽しい。パフォーマンスが欲しくて OC するのか、パフォーマンスを極力落とさずに省電力性を求めるか等で楽しめる範囲が広い。
 私の場合で求める物は、パフォーマンスを求めつつ無駄な電力は削りたいと言う我が侭タイプなので弄るところも多く苦労する箇所も多かった。データをまとめた後にも色々と弄って 4400MHz の安定動作もさせたが、その時のパフォーマンスに対する消費電力に魅力的な物を感じなかったので、結局は 4200MHz 安定という結果になっている。
 また、消費電力の大きい CPU なので、M/B の電源周りは出来るだけ良い物を使った方が良いと思われる。Load Line Caribration を有効にしても電圧が落ちて OC がまともに出来ないって言う事も実際に体験したので……
 ともあれ、OC をするなら「どの様な動作を求めるのか」を明確にしておくと、最終的な妥協点と結果が見えてくるので計画的に行うと良い。また、過度な OC は CPU のみならず M/B 等の故障を引き起こす事も少なからずあるので要注意だ。全ては自己責任で。

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