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Ryzen 5 1600 とのセット販売で安くなるという予算の限られた状態だった筆者には飛びつくほか無かった。オフィシャルでスペックの確認をした上で「GAMING と冠しているから大丈夫だろう」と購入した AMD B350 採用のマザーボードだ。
パッケージと同梱内容
赤と黒のゲーミングモデル定番の配色。
付属品は最小限に留まる形で、シンプルなバックパネルに SATA ケーブルが 2 本、M.2 SSD 固定用ネジが 2 本とドライバーディスクにマニュアルなどの紙類となる。
SATA ケーブルは 1 本が片方 L 字タイプとなっているので、狭所におけるドライブマウントに役立つだろう。
基本スペック
パッケージ背面に記載されているスペックは次の通り。
メモリは Ryzen だと DDR4-2667 までと言う様な表記がなされているが、BIOS 上では OC にて 3200MHz 駆動までは表示されるので相性の良いメモリであれば動作する物と思われる。
USB は Ryzen 自体に USB 3.1 のコントローラーが搭載されているが、本製品ではカットされており USB 3.0 までの対応に留まる。
マザーボード上には M.2 端子が 2 つ搭載されているので、SATA 接続の M.2 SSD と PCI-E x4 接続の Ultra M.2 SSD の両方を使用可能だ。その代わり SATA 接続の M.2 端子は SATA_3 ポートとの排他使用になる事に注意が必要である。
マザーボード外観
全景
パーツを実装する表面はこちら。
M.2 スロット 2 本の部分がそれぞれ赤い帯状の印刷がされている。
裏面は表面実装された電子部品も少なくてスッキリしている。Socket AM4 の真裏が開放されていないので表面実装のチップ抵抗などを物理的に破損する恐れのないタイプになっている。
SATA 端子
端子の配置が変則的に 6 ポートある。チップセット若しくは SoC の SATA コントローラーからでる SATA で ASMedia を挟むような配置だ。
赤く囲った所が AMD、青く塗ったところが ASMedia による SATA ポートだ。M2_2 と SATA_3 ポートが排他使用となるので何れか一方しか使うことは出来ない。
ポート自体はスタックせず 1 ポート 1 段なので扱いやすい。
CPU Socket 周り
採用しているのは当然 Socket AM4 になる。VRM のフェーズ数は 9 となり MOS-FET はヒートシンクの下にある。
尚、このヒートシンクは高さ約 31mm と高めであるため、簡易水冷のラジエーターやそのファンと干渉する恐れがある。というか Corsair 550D に Corsair H100i という組み合わせの筆者は、ラジエーターのファンが絶妙に干渉したのでラジエーターのネジを緩めて少しずらす必要があった。そうすることで紙一枚が通るクリアランスの確保がやっと出来た感じに。
本製品のバックプレートはマザーボードの基板に接着されていないので取り外す事が可能。他社 B350 採用マザーボードに触れる機会があったのだが、その製品はガッチリ接着されていたのでちょっと怖いなと多少の心配はしていた箇所だったりもする。
ヘッダピン配置
チップセットのヒートシンクにあるロゴが正しく見える向きを正面として左端に各種ヘッダピンが実装されている。
内部 USB 2.0 が 4 ポート分、CMOS クリア用ジャンパー、ケースファン接続端子 2 つにケースフロントパネル用のヘッダピン、スピーカー (圧電ブザー) 端子となる。
特にケースファン接続端子は背面オーディオ端子付近にも 1 つあり、合計 3 つの接続が出来る点が良い。
PCI-E x16 スロット
最近流行らしい金属で補強されたスロット。これによりグラフィックカードの重みでスロットの歪みを抑える効果があるとか。
チップセットである B350 自体は PCI-E のレーン分割に対応していないが Ryzen 内蔵の PCI-E 3.0 レーンと B350 が持つレーンを合わせる事で CrossFire が出来るはずなのでもう 1 本の PCI-E x16 形状のスロット (実際には PCI-E x8) も同様に補強しておいても良かったのではと思う所もある。
背面 I/F
B350 は APU もサポートしているので DVI や HDMI, D-SUB 端子も装備。当然として Ryzen 環境では使用不可。
USB ポートは 2.0 x2、3.0 x5、3.0 Type-C x1 となっている。前述の通りネイティブに USB 3.1 をサポートしている Ryzen だが 3.1 出力には非対応とされている。
サウンド入出力は外部入出力にマイク入力の 3 つのみと至ってシンプル。
UEFI 画面
ざっと主要な項目をスクリーンショットに収めたのでまるっとペタリ。
本製品で一番厳しいと思う所がこの UEFI でも出来ない設定項目にある。それは Load Line Calibration 機能が存在しない事と SoC 電圧の調整が出来ない事。
特に Load Line Calibration (以下 LLC) は CPU のオーバークロックの際に弄る動作電圧 (Vcore) 安定化には必須である為、それが無いと言うことは高負荷時に降下する分の電圧を考慮して余計高く設定しなければならなくなる。
オーバークロックには正直不向きではあるが、筆者使用の Ryzen 5 1600 なら 3.6GHz 程度ならそう大きく高めの設定をせず 1.2375V でも安定するが高負荷時には 1.184V 程にまで降下してしまう。LLC があれば最初から 1.2000V 設定でも動作するはずなので非常に惜しいなと思う所だ。
おわりに
購入当初は「定格使用で良いだろう」なんて考えて居たが、やはりオーバークロックをやって遊びたいという衝動に狩られてついついやってしまい、パフォーマンスの伸びを見ると「常用 OC を…」と設定を詰める作業をしてしまったりも。
そこでやはり LLC が無い点で非常に悩まされ、尚かつ Vcore の落ち込みも大きいから電源周りの弱さを感じてしまうようになった。
ただ、オーバークロックなどやる予定もなく定格動作で十分だというのであれば安価である事も加えて見た目も良いし M.2 スロットも 2 本あるので十分選択肢に入れても良いマザーボードだとは感じた。
現時点で既に AGESA 1.0.0.6 の入った BIOS が公開されている点もメモリ周りで特に安心出来るので良いだろうと思う。
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