はじめに
使用している AIO 水冷クーラーも使用期間が 6 年を過ぎたくらいになっていたので、そろそろ買い換えの時期に差し掛かってきた感じだ。
そこで今回は発売前から気になっていた ASRock の Steel Legend Dark 360 LCD を使ってみることにした。
通常、長くても 5 年ほどの保証期間が本製品では 6 年という自信の現れが見て取れ、ファーストインプレッションとして強く訴えかけられる物があったからだ。
製品特長
- 3.4inch フルカラー LCD ディスプレイ:システム情報やカスタムビジュアルを鮮やかなディテールで表示
- Polychrome DISPLAY:リアルタイムモニタリングとカスタマイズ表示を両立
- 次世代冷却システム:精密設計の構造と自動車グレードの部材を採用
- 最適化されたサーマルファン設計:ターゲットエアフローテクノロジー採用
- 航空宇宙グレード LCP ファン:銅合金ベアリングハブ、インダストリアルデュアルボールベアリング
- 0dB サイレントクーリングテクノロジー:低負荷時はファンを完全停止し無音運転を実現
製品スペック
以下、オフィシャルサイトより抜粋。
| カテゴリ | 項目 | |
|---|---|---|
| 基本情報 | 型番 | 90-ASLA36-BAAGA5 |
| 対応ソケット (AMD) | AM5, AM4 | |
| 対応ソケット (Intel) | LGA1851, 1700 | |
| ウォーターブロック | 寸法 | (L)100.4 x (W)86 x (H)107.6 mm |
| 材質 (コールドプレート) | 銅 | |
| LED | ARGB | |
| ラジエーター | 寸法 | (L)397 x (W)120 x (H)27 mm |
| 材質 | アルミニウム | |
| ポンプ | 回転数 | 1200 – 3100 ± 10% RPM |
| 電流 / 電圧 | 0.38A / 12V | |
| コネクタ | PWM (4 ピン) | |
| VRMファン | 寸法 | (L)70 x (W)70 x (H)25 mm |
| 回転数 | 最大 3000 ± 10% RPM | |
| コネクタ | PWM (4ピン) | |
| 電流 / 電圧 | 0.12A / 12V | |
| ラジエーターファン | 寸法 | (L)120 x (W)120 x (H)28 mm |
| 回転数 | 0 – 2500 ± 10% RPM | |
| 風量 (最大) | 76.7 CFM | |
| 静圧 (最大) | 4.16 mmH2O | |
| 騒音値 (最大) | 38.3 dB(A) | |
| コネクタ | PWM (4ピン) | |
| 電流 / 電圧 | 0.30A / 12V | |
| ベアリング | デュアルボールベアリング | |
| スクリーン | タイプ | IPS LCD |
| サイズ | 3.4インチ | |
| 解像度 | 480 x 480 | |
| 表示色 | 24-bit | |
| 輝度 | 250 cd/m² | |
| リフレッシュレート | 60 Hz | |
| フレームレート | 60 FPS | |
| コネクタ | USB Type-C | |
| チューブ | 材質 | IIR + EPDM |
| 長さ | 450mm | |
| 保証 | AIO クーラーモジュール | 6年 |
| LCD ディスプレイモジュール | 2年 |
製品外観
パッケージ


外装のビニールには製品保証シールが貼付されていた。
正に安心の 6 年保証。

開封した所。各パーツが箱に収められ整然としている。

ヘッド部
ヘッド部分はポンプに VRM ファンが乗っかっている。
ファン 4 隅のネジに LCD がマグネットで吸着することで合体する。






LCD
LCD は 3.4inch サイズであり、ヘッドにマグネットで吸着する。
PC とは USB Type-C 形状の付属ケーブルで接続される。
どの方向でヘッドと合体させても、LCD 表示はソフトウェア制御で回転させることが出来る。




ラジエーターとファン
ファンは予め装着された状態になっている。
デイジーチェーン形式をとっているので、ケーブルの本数が少なくかなりスッキリしている。

アルミフィンは当然だがとても綺麗に並んでいた。フィンの潰れなどは見受けられない。

アルミフィンのアップ。

ファンを 1 つクローズアップ。
ブレードは航空宇宙グレード液晶ポリマーから成形されており、中心の黄金色部分が銅合金ベアリングハブだそうだ。
これに合わせてデュアルボールベアリングを採用しており、全体として高耐久を狙った設計になっている。

チューブ
チューブは IIR (ブチルゴム) + EPDM (エチレンプロピレンジエンゴム) で出来ている。この両素材は共に高耐久性を謳うもの。
更に丁寧にスリーブ加工することで高級感を与えてくれている。

付属品



これらはパッケージの Accessory と書かれた箱に入っている。
上の 3 つの写真の通り、
- ラジエーター固定ネジ
- LCD 接続ケーブル (USB Type-C)
- チューブクリップ (写真中ではホースクリップと表記)
- CPU グリス & ヘラ
- AMD 用マウントブラケット
- Intel 用バックプレート
が付属する。
取り付けする
5 年振りくらいに PC ケース内の完全清掃を行いながら簡易水冷の付け替え作業となったので、約 6 時間も掛かってしまった。
今回は簡易水冷に関しての記事なので細かい所はすっ飛ばし、本製品のマウントに関する部分のみを紹介する。

ラジエーター固定
今まではフロントにマウントしていたが、今回からはケース内トップに移行した。
Corsair 5000X RGB というケースなので、中身が広めかなーと思ったけど結構きつきつだった。
EPS 8+4pin の 4pin 側ノッチにファンの防振ゴムが干渉したので防振ゴムを外す事で回避した。
AMD 用マウントブラケットの取り付け。
マザーボード標準ブラケットを取り外し、ネジを再利用してマウントブラケットを交換する。
取り付ける向きは CPU 方向に矢印がついているので、それに合わせれば良い。

CPU グリスを塗る
付属のグリスは使わず「あるてぃめいとえくすとり~むぐりす めいと」を使用した。
これは非常に熱伝導率が高く、尚かつ塗りやすい柔らかさを併せ持つ良いグリスだった。
具体的な熱伝導率は明記されていないが、同社グリスの中でも最高指標となっているので、20W/m・K 以上あるのかもしれない。

ヘッド固定と LCD マウント
ヘッドのネジ穴をマウントブラケットのネジに合わせ、対角に且つ、数度に分けてネジを締めていく。
LCD はマニュアルだと USB 端子が下方向を向くように取り付けると書いてあったが、そこはチューブと接触しちゃうのでちょっと無理があるのでは? と思い、USB 端子が左を向くように被せてみた。

最後の配線を済ませる
LCD から伸びるケーブル、ラジエーターファンの接続を行う。
完了した図がこちら。
LCD からのケーブルがばらけていると目立ちそうだったんで、見えにくくするためにスパイラルチューブで纏めてみた。
LCD のケーブルもファンケーブルも共に一旦裏面に逃がしてから、必要分を再度表に引っ張って接続をしている。これでも大分目立たないようには出来たハズ。

また、LCD から伸びるケーブルは正直短いので、裏に回すと USB ヘッダの端子に届かない状態になった。
たまたま内部ヘッダ用 USB ハブを付けていたので、そちらへ接続することで対処できたが、普通にマザーボード上の USB ヘッダに繋ごうとしていたら表を縦断して汚い配線にするほか無かったのが怖いところ。

PC を起動して負荷を掛けてみる
今回、本製品を載せたマシンのスペックはこちら。
5950X はド定格仕様。

多くのデータは取っていないのでサクッと書いてみる。
先ずは定番な CINEBENCH R23 を実行してみた。これはマルチコア 10 分ループの奴。
室温 27 度、ポンプ 3,000RPM、ラジエーターファンは自身が許容できるノイズレベルにピークが来るよう、調整済み。(大体 1,500~2,400RPM)
- Tdie Max 61.2 度、Ave. 55.1 度
- VRM Max 53 度、Ave. 52 度
という具合によく冷えてくれている。

続いて CINEBENCH よりも負荷の高い HEVC エンコード実行時、Corsair H150i との比較入りがこちら。
但し、H150i は掃除してない且つ 6 年使用という状態が悪いタイミングの計測な点に要注意。
尚、室温は共に 28 度で合わせている。
CPU 温度は約 8 度の低下、H150i には存在しない VRM ファンにより VRM の温度低下は著しい物がある。
別途 OCCT CPU も久しぶりに回してみたが、30 分ループで Tdie Max 63.25 度、VRM Max 52 度と、こちらも非常に良い結果をもたらしてくれた。


総じて冷却性能に関してはなんら文句のない冷え具合である。
Polychrome DISPLAY という物
本製品の LCD 表示に関わるソフトウェアが Polychrome DISPLAY という。

この様にシステムをモニタリングした物が LCD に表示されるわけだが、如何せんこのデータがあてにならない。
CPU 温度に関しては、個人的にこれが絶対だろうとしている HWiNFO の CPU Tdie との乖離が大きいのである。
データリフレッシュのズレから来る物かと思ったけど、そうでもない。そしてどの温度データにも似つかない。どこからデータ拾ってるんだろうかと謎である。

これとは別に Turing Smart Monitor という 3.5inch モニターでステータス監視出来る奴を持っているから、LCD の表示は不要だなと言う結論に至った。
尚、適当に表示していても BIOS で USB バスパワーを PC の電源が切れても供給し続ける設定にしてあると、LCD がフリーズしたまま常灯するのであまりよろしくない状態になる。
Polychrome DISPLAY 側で「スリープモード」の設定があるが、ソフトウェアが終了しても初期値 60 秒経過したところでスリープしてくれないのでなんだかなぁ…… だった。
ということで、
- CPU 温度が合ってない。むしろどこから拾ってきたその温度。
- PC をシャットダウンしても USB バスパワー ON だと LCD がスリープしないでフリーズ常灯する。
この 2 つにより LCD は使えないので非表示運用という事になった。
まとめ
○ 良いと思ったところ
- 本体保証 6 年
- 冷却性能良し
- 高耐久性に期待出来るだけの素材を使用
- 外観が好み
- チューブの取り回しが楽
× 悪いと思ったところ
- LCD の使い道が個人的に無し
- ソフトウェアが未成熟
- 内部 USB ヘッダに接続するケーブルが短い
トータルで実運用上の問題はないからヨシ!!
おわりに
6 年振りとなる簡易水冷の買い替えはまぁぼちぼち良い感じに終わった。
Steel Legend Dark 360 LCD は特にヘッド部分に VRM ファンを搭載しているので、その恩恵に与れるのが非常に大きい。VRM も少しでも温度が低ければ寿命が延びるからだ。
ラジエーターファンの制御をマザーボードに丸投げするのは良くもあり悪くもある部分かと思うけど、マザーボード上のファンポートが不足している我が家では結構悩ましい物があったりしている。
この点をどう乗り越えるかは今後の課題としておこう。
久々に自作 PC を「やった」という感じで非常に楽しかった。
Steel Legend Dark 360 LCD は耐久性に主眼を置きつつ、冷却性能も欲しい人にはうってつけな簡易水冷であると感じた。


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